会社員からフリーランスへの転向が向いている方の特徴
会社員とフリーランスでは働き方が大きく異なることから、人によってはフリーランスが向いていないと感じるケースも少なくありません。会社員から転向を考えている場合、まずは自分がフリーランスに向いているのかを知っておきましょう。
ここではフリーランスに向いている方の特徴についてご紹介します。
集客基盤がある
フリーランスのエンジニアになると自らクライアントに営業をかけて仕事を確保していく必要があります。集客基盤があれば、広い人脈や強力なビジネスネットワークを活かして案件を獲得しやすくなるでしょう。
一例としては、「会社員時代で案件の受注先を確保している」「SNSでフォロワーが1,000人以上いる」などです。近年ではSNSやブログなどを活用して自身の専門知識や経験を発信し、信頼を築いているフリーランスの方も多くいます。
このように「集客基盤がある」ということは、フリーランスとしてのビジネスを始める際に一定のアドバンテージを持っているといえます。
自分のスキルに適正な値段をつけられる
フリーランスになると、自分が行う仕事の値段は自ら設定することとなります。そのため、自分のスキルや経験の価値を客観的に評価し、それに見合った料金を設定することが大事です。
自分が行う仕事の値段を安く設定すれば、多く案件を受けられる可能性はありますが、効率的に稼げるとはいえません。とはいえ、自分のスキルレベルに見合わない価格を設定すれば、仕事の受注が難しくなります。
適切な値段をつけるためには、市場の価格レベルや競合他社の料金を調査し、自身のスキルやサービスの競争力を分析する必要があります。また自分のスキルや経験に自信を持ち、価値を認識することも重要です。
自律的にキャリアを築いていける
フリーランスになれば誰かの指示を受けて行動するのではなく、自分で仕事を選択し、キャリアを築いていく必要があります。年齢に応じてキャリアアップするわけではないため、継続的な学習とスキルの向上に積極的に取り組み、自身のキャリアを発展させることが大事です。
キャリアの目標もなく、ただ漠然と目先の仕事をこなすだけだと、市場や技術の変化に適応できなくなるでしょう。フリーランスとして大きな成功を収めたい場合は、数十年先のキャリアプランを明確に立て、高いモチベーションと責任感を持って仕事に向き合う必要があります。
会社員からフリーランスへ転向する上での注意点
フリーランスになれば頑張り次第で多く稼げたり好きなときに働けたりといったメリットがあります。しかしメリットばかりではないため、次にご紹介する注意点を押さえておきましょう。
給与が安定しない
フリーランスは案件ごとに仕事を受けるため、収入が安定しづらいという特徴があります。継続的に案件を受けられれば収入が安定しますが、案件が終了してしまえば新たな案件を探して営業をかけ、仕事を獲得する必要があります。
また、フリーランスは景気変動に弱く、クライアントの業績が悪化すれば契約終了となるケースも珍しくありません。そういったリスクを避けるためにも単一のクライアントに依存せず、複数のクライアントとの関係を築いて収入の安定性を高めるとよいでしょう。
独立当初は思うように収入が得られない可能性もあるため、貯金をして当面の生活費を確保することも大事です。
保障が手薄になる
一般的にフリーランスは会社員と違って、雇用主による社会保障制度の恩恵を受けられない点に注意が必要です。具体的には、健康保険や年金、失業保険などの社会保障制度が受けられません。したがって、フリーランスとして働く場合は、自己負担でこれらの保険に加入する必要があります。
また、フリーランスは社会保障が手薄になることから、病気や怪我による仕事の中断や収入の減少に対する備えが重要です。個人の健康管理や傷害保険の加入など、自身のリスク管理に注意を払うとよいでしょう。
加えて、予期せぬ出費や収入の変動に対して経済的な安定性を確保する必要もあります。十分な貯金を持つことや、不測の事態に備える緊急基金を作ることが大切です。収入の管理や予算の立て方にも注意を払い、不要な支出を抑える努力もしてみてください。
法律・契約に関する知識が必要となる
フリーランスとして働く場合、税金や会計の管理が重要です。所得税・消費税などの税金の申告や支払いを適切に行い、正確な会計記録を保持する必要があります。税務や会計に関する知識を身につけるか、専門家の助けを借りるとよいでしょう。
また、クライアントとの契約において、契約書の内容や条件を理解し、適切に対応することも大切です。契約書の作成や交渉に慣れていない場合は、法律専門家の助けを借りることをおすすめします。専門家の力を借りることで、契約トラブルを防ぎ、円滑に仕事を進められます。
税金が多くかかる可能性がある
フリーランスになると特定の条件を満たした場合に個人事業税や消費税がかかる場合があり、会社員時代よりも税金が多くかかる可能性があります。
会社の健康保険は国民健康保険に切り替える必要があります。そして、厚生年金がなくなり支払いを自ら行う国民年金保険のみとなります。これらの保険料は収入に応じて高額になることがあるため、収入と予算管理が重要です。確定申告を青色申告にする、保険を見直すなど、節約・節税をしないと手取り収入が減ってしまうため注意しましょう。
信用度が低い
フリーランスは会社員よりも収入が安定しにくいことから、信用度が低くなる傾向にあります。具体的には、「ローンが組めない」「与信が通らない」「家が借りられない」などです。
フリーランスとしての信用度を向上させるために、クレジットヒストリーを構築しましょう。定期的な支払いや債務の返済を遅れないようにすることが重要です。また、クレジットカードや個人ローンを適切に利用し、返済記録を積み重ねることも信用度の向上に役立ちます。
会社員からフリーランスへの転向を成功させるには?
フリーランスとして事業を継続させていくのは簡単ではありません。中小企業白書が公表した開業後の事業存続と倒産の動向によると、個人事業所が開業直後からの生存率が安定するまでに5~7年と長い期間を要するというデータがあります。
出典:中小企業白書/経済産業|第2節 事業の存続・倒産と再生
そのためフリーランス転向を成功させたい方は、次にご紹介する4つのポイントを押さえておきましょう。
プログラミング以外の知識・スキルを身に付ける
フリーランスエンジニアとして市場価値を高めるためにも、プログラミング以外の知識・スキルを身に付けることが重要です。
プロジェクトの進行においてコミュニケーション能力やプロジェクトマネジメントの知識、ビジネススキルなどの幅広いスキルが求められることがあります。これらのスキルを身に付けることで、クライアントの要求により柔軟に対応できるでしょう。
また、受注できる案件の幅を広げるためにも、システム開発の技法や他分野の開発技術などを学ぶことも大切です。
コネクションを増やす
フリーランスとして仕事を獲得していくためにも、コネクション(人脈)を増やすことが大事です。ほかのフリーランサーやクライアントとの交流を通じて、新しいプロジェクトや依頼を受ける機会が増える可能性があります。
コネクションがあることで、情報の共有や相互の学び合いにもつながり、自身のスキルや専門知識の向上にもなるでしょう。
コネクションを増やす方法としては、SNSの活用や交流会、イベントの参加などが挙げられます。ホームページやブログ運営を始めて、情報を発信するのも有効です。
フリーランスエージェントを活用する
フリーランスになると営業や経理などにも力を注ぐ必要があります。しかし、「営業に慣れていない」「経理の知識がない」といった場合は、フリーランスになると苦労するでしょう。
そこでおすすめなのがフリーランスエージェントです。セルプロフリーランスでは、フリーランスの方に向けてプロジェクト紹介や営業支援、税務代行などを行なっています。フリーランスへの転向を成功させ、安定した収入を得たい方はぜひお問い合わせください。
50代以降に備えておく
エンジニアの案件には若い世代を対象としているものもあります。そのため、50代以降になると受けられる案件が減少する可能性がある点に注意してください。
50代以降も競争力を維持するためには、自身の経験と専門知識を継続的に向上させる必要があります。技術の進化や市場の変化に対応できるように、学習やトレーニングに時間を割いて自己成長を図りましょう。
また、アドバイザーや講師としての実績を積むなど、自身に付加価値をつけるために多様な経験を積むことも大事です。新たな仕事の機会があれば、積極的にチャレンジしてみてください。
加えて、体力や健康管理も重要な要素です。長時間の作業やストレスを避けるために、適度な休息や運動、バランスの取れた食事などに気を配りましょう。
まとめ
フリーランスと会社員は働き方が大きく異なり、メリットもあればデメリットもあります。会社員からフリーランスエンジニアへの転向を成功させるためにも、コネクションを増やしたり多様なスキルを身につけたりするとよいでしょう。また、収入が途切れるリスクに備えて、一定の貯金をしておくことも大事です。入念な準備をして、フリーランスへの転向を成功させましょう。