プログラマーの仕事がなくなるのはAIよりも景気が関係する

近年、AIやロボットなどのデジタル技術の発展によって、一部の仕事が代替されつつあります。プログラミング領域においても、AIに指示を与えることでコードを自動生成するサービスが誕生しています。そこで、「プログラマーの仕事もいずれなくなるのでは」と心配している方もいるのではないでしょうか。 この記事では、プログラマーの将来性についてご紹介します。プログラマーとして生き残る方法についても解説いたしますので、ぜひ参考にしてみてください。


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プログラマーの仕事がなくなるといわれる理由

プログラマーに限らず、「いつまでもこの仕事を続けられるのか」といった不安は多くの方がもっているでしょう。ここでは、プログラマーの仕事に影響を与える可能性の高い要素を3つご紹介します。

AI技術の進化

AIの進歩により、プログラミングの一部のタスクは自動化される可能性があります。特に、反復的なルーティン業務やテンプレートに基づく開発などは、AIによって効率化されていくでしょう。

近年話題となっている、OpenAI社がリリースしたチャットボット「ChatGPT」では、適切な指示や情報を与えることでコードの生成が可能です。ほかにもコードレビューやエラーメッセージの解読など、プログラミング関連の仕事を効率化させるのに役立ちます。

オフショア開発の発展

日本はIT人材が不足しているため、システム開発の委託費のうち、人件費の割合が大きくなっているのが現状です。このことから、オフショア開発が注目されつつあります。オフショア開発は自国よりも人件費の安い海外へ委託することで、コストを削減できるメリットがあります。

この手法が日本のスタンダードになっていくと、国内で仕事をしているプログラマーの需要が下がるおそれがあります。

ノーコード開発ツールの発達

ノーコード開発ツールはプログラミングの知識やコーディングのスキルをもたない人でも、アプリケーションやソフトウェアの開発を行えるツールです。テンプレートやドラッグアンドドロップの操作だけでシステム開発ができます。

そのほか、コーディングの量を最小限に抑えたローコード開発ツールも普及しており、非技術者でも簡単にアプリケーションを作成できるようになっています。

このことから、スキルの低いプログラマーの必要性は低下していくと予想できます。

【結論】プログラマーの仕事はなくならない

時代の変化やテクノロジーの進化は、プログラマーの仕事に影響を与える可能性があることを説明しました。しかし、結論として、プログラマーの仕事がなくなることはありません。ここでは、その理由について詳しく解説いたします。

AIはプログラマーの雇用を増やす可能性が高い

AI技術はますます重要性を増しており、多くの企業はAIを活用してビジネスプロセスの改善や効率化を図ろうとしています。機械化しやすい業務や職業は、AIに代替される可能性があります。例えば、事務やレジ、警察官(見回り)などです。

一方で、プログラマーはAI技術の開発や導入に携わる職業です。AIモデルの設計やトレーニング、データの処理には、プログラミングスキルが欠かせません。

AIの発展とともに、プログラマーの需要も向上していくといえます。

AIが完璧にプログラミングをこなすのは難しい

AIに適切な指示を与えればコードを組むことは可能ですが、実用化に至るレベルにはなっていません。AIはデータとルールに基づいてタスクを実行できますが、創造性や柔軟性に欠けるため、実務レベルでの活用はまだ限定的です。プログラマーには、独自の視点やアイデアをもち、複雑な問題に対して柔軟に対応する能力が求められます。

またシステム開発の現場では、プロジェクト管理やチームコラボレーションの能力も必要です。クライアントやチームメンバーとのコミュニケーション、タスクの割り当て、進捗管理、バグ修正など、開発プロセス全体を管理してチームとの協力を図る必要があります。こういった部分はAIが代替できないため、プログラマーがなくなるとは考えられません。

ただし、より専門性が求められていくと考えられます。今まで以上に、コミュニケーションスキルやマネジメントスキルなどを磨いていく必要があります。

システムの点検、保守、運用は人間にしかできない

AIは設計書や要件仕様書などの文書を一意に解釈できない場合があるため、正確なコードへの変換は難しいでしょう。加えて、システムの点検やトラブルシューティングなどは、プログラマーの経験と知識が求められる作業です。

システムの正常な動作を維持するためには、エラーやバグを特定し修正する必要があります。こういったシステムの運用においても、プログラマーの洞察力と分析能力が重要です。

AIはプログラマーの作業を支援するツールとして活用されることがありますが、創造性や専門知識、問題解決能力が求められる部分はプログラマーでなくては成り立ちません。

プログラマーの仕事は景気の影響を受けやすい面も

プログラマーの仕事がすぐになくなることは考えられませんが、不景気によってプログラマーの仕事が減る可能性はあります。企業はITシステムを利用して業務効率化や競争力の向上を図りますが、デジタル化は依頼する企業にとって設備投資のようなものです。設備投資に十分な資金が充てられない状況になれば、プログラマーの仕事にも影響を及ぼします。

新型コロナウイルス感染症による影響を大きく受けた2020年4-6月期の設備投資は、前年度から11.3%減少しました。プログラマーもこういったパンデミックの影響を受ける可能性があることを頭に入れておく必要があります。

出典:
財務省「コロナ禍における企業活動と今後の課題~企業収益・設備投資・資金調達の動向~

プログラマーとして生き残るには?

ここでは不景気による影響を受けやすいプログラマーの仕事で、安定して働いていくための対処法をふたつ解説いたします。

転職を視野に入れる

プログラマーとして生き残るには、転職を視野に入れることも大事です。不景気の影響を受けて自身のキャリアがストップしないように、日頃から求人を調べ、条件の良い転職先を探しておくと良いでしょう。

また、上流工程から下流工程までの一連の流れを経験できる企業へ転職できれば、自分の市場価値も高められます。

PM(プロジェクト・マネージャー)へのキャリアアップも視野に入れ、人間性やコミュニケーション能力を磨いておくのも良いです。自分にとってより良いキャリアが積める転職先を選択できるように少しずつ準備を進めてみてください。

フリーランスエージェントを活用する

企業に属すのではなく、フリーランスの道も視野に入れておくと良いでしょう。プログラマーはスキルと経験次第でフリーランスとして独立が可能です。フリーランスになれば自分で仕事を取捨選択でき、収入も自分の頑張り次第で上げられます。

一方、フリーランスになると自分で営業して仕事を獲得していく必要があるため、収入が不安定になりやすいです。そこで活用できるのがフリーランスエージェントです。

セルプロフリーランス」では、フリーランスでの活躍を支援するためにプロジェクト紹介や営業支援、税務代行などを行っています。一定の条件を満たせば、収入補償もしています。フリーランスを検討している方はぜひお問い合わせください。

まとめ

デジタル化の需要は近年急速に成長しており、企業や個人がさまざまなAI技術を必要としています。AIを開発する立場のプログラマーは、需要が比較的安定しており、仕事がなくなるとは考えにくいといえるでしょう。

とはいえ、AI技術の進化によって、プログラマーに求められるスキルは変化していっています。景気変動もふまえて、プログラマーとしての専門性を磨き、最新のAI技術やトレンドをキャッチアップすることが大切です。