フリーランスエンジニアの単価相場まとめ!時給や手取り額は?

フリーランス転向を検討している会社員の方の中には、案件単価の相場が気になる方もいるのではないでしょうか。今回の記事では、フリーランスエンジニアの単価相場と単価交渉の方法を紹介します。仕事のモチベーションと品質を維持するためにも、単価交渉のテクニックを知っておきましょう。


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フリーランスエンジニアの単価相場

フリーランスエンジニアの単価を決定する要素として「使用言語」「年代(経験年数)」「職種」の3つがあります。これらの要素をどのように加味して単価を決定するかは発注側によって異なるものの、おおよその相場を知っておくことは自身のスキルアップに何が必要かを計る目安になります。

フリーランスエンジニアの単価相場【言語別】

使用言語によって、月単価には最大20万円以上の差が生じます。Goのような新しくて扱える開発者が少ない言語、Pythonのような需要が高い言語は単価が高い傾向です。

逆に、扱える開発者が多い言語や需要が低い言語は、単価が低い傾向にあります。

使用言語 月単価
Java 約65万円~68万円
JavaScript 約65万円~71万円
PHP 約70万円~72万円
Ruby 約75万円~80万円
Python 約76万円~80万円
Scala 約70万円
Swift 約75万円~79万円
Go 約80万円~81万円
C# 約65万円~67万円
C++ 約65万円
COBOL 約58万円

※上記の月単価はあくまで目安であり、実際は案件ごとに異なります。

フリーランスエンジニアの単価相場【年代別】

フリーランスエンジニアは、経験年数に応じて月単価が高くなる傾向があります。ただし、同じ経験年数であっても扱える言語の種類によって単価は異なります。経験年数が浅いうちは扱える言語を増やしたり、多くの案件を受注して経験を積んだりしながらスキルを磨きましょう。

以下の表はエンジニアとしての経験年数ごとに月単価を示したものです。フリーランスになってからの年数ではない点に注意しましょう。

経験年数 月単価
1年未満 約30万円
1年 約45万円
2年 約50万円
3年 約60万円
4年 約70万円
5年 約80万円
5年以上 約90万円

※上記の月単価はあくまで目安であり、実際は案件ごとに異なります。

フリーランスエンジニアの単価相場【職種別】

エンジニアは、業務内容によってさまざまな職種に細分されます。システムコンサルタントやプロジェクトマネージャーなど、上流工程に携わる職種は単価が高くなる傾向にあります。

一方、システムやソフトウェアなどの開発において、プログラマーやテストエンジニアなどの下流工程を担当する職種は単価が低めに設定されています。

職種 月単価
システムエンジニア 約58万~74万円
ネットワークエンジニア 約61万~67万円
データベースエンジニア 約68万~71万円
セキュリティエンジニア 約71万~74万円
テストエンジニア 約40万~58万円
インフラエンジニア 約65万~67万円
サーバーエンジニア 約66万円
プログラマー 約50万~68万円
Webディレクター 約69万円
プロジェクトリーダー 約68万円
プロジェクトマネージャー 約78万円
システムコンサルタント 約90万円

※上記の月単価はあくまで目安であり、実際は案件ごとに異なります。

フリーランスエンジニアの年収・時給相場と手取り額は?

ここまでフリーランスエンジニアの単価相場を紹介してきましたが、結果的な収入はどのくらいになるのでしょうか。

ここからはエンジニアがフリーランスとして稼げる金額を年収・時給・手取りに分けて解説します。

年収相場:850万円程度

スキル・経験によっても異なりますが、フリーランスエンジニアの平均年収は約850万円です。会社員エンジニアの平均年収はおよそ580万円なので、フリーランスのほうが高収入を得やすいと考えられます。

フリーランスエンジニアの平均年収については下記の記事でより詳しく解説しています。ぜひこちらも参考にしてみてください。

フリーランスエンジニアの平均年収と年収アップの6つのポイント

出典:「令和4年賃金構造基本統計調査 結果の概況」(厚生労働省)

時給相場:4,000~5,000円程度

フリーランスエンジニアの平均時給は4,000~5,000円程度です。対応可能な言語や現在の技術力などによっては、さらに高時給になる場合もあります。フルタイムで働けば、月収65~80万円程度の収入が見込めます。

手取り額は月収のおよそ8割程度

上記で紹介した平均年収や月収は、税金などが引かれる前の総支給額の目安です。フリーランスエンジニアの場合、月給から下記の金額が引かれます。

・国民健康保険
・国民年金
・所得税
・住民税

月収80万円の場合、上記引かれたあとの金額は62万円程度です。個人事業主になると、会社員時代とは異なり健康保険料を全額自己負担しなくてはなりません。

さらに、配偶者が社会保険の扶養から外されてしまうなどのデメリットがあることも考慮する必要があります。

そのため月収の額面が会社員時代と変わらない場合は、独立後に手取りが低くなるかもしれません。

また、年間の事業所得が290万円以上の場合は個人事業税、適格請求書発行事業者になっている場合は売上額にかかわらず納税義務が発生するため、さらに収入が少なくなります。

フリーランスエンジニアの手取りの計算方法や年収別の目安については、下記の記事でさらに詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。

【フリーランスエンジニア】手取りの計算方法や年収アップのコツ

フリーランスエンジニアの単価別に求められるスキル

個人事業主として活躍するエンジニアの案件単価は、経験値や力量と比例して高くなる傾向にあります。ここではフリーランスエンジニアの単価別に求められるスキルについて解説します。

【月単価60万円】実務経験2年~3年/プログラマー・SEなど

月単価60万円程度の案件で求められるのは、下記のような経歴と技術です。

・実務経験が2~3年ほどあり、1人で仕事ができる
・システムの設定に対応できる
・指導能力がある
・ニーズがある言語を習得済み

職種ではプログラマーやSEなどが該当します。

【月単価70万円】実務経験3~4年/PL・Webディレクターなど

月単価70万円程度の案件で求められる能力は下記の通りです。

・実務経験が3~4年ほどあり、上流工程に関わるスキルをもっている
・リーダーシップやコミュニケーション能力がある
・企画立案力・提案力がある
・スケジュール管理ができる

職種ではPLやWebディレクターなどが該当します。

【月単価80万円】実務経験4~5年/PM・セキュリティエンジニアなど

月単価80万円程度の案件になると、プログラマーとしてのスキルに加えてプロジェクト全体を統括する力も必要になります。

・実務経験が4~5年ほどあり、上流工程に関わるスキルをもっている
・マネジメントができる
・部下の指導や管理ができる
・プロジェクト全体の管理ができる
・高単価な言語を習得済み

職種ではPMやセキュリティエンジニアなどです。

月単価100万円:5年以上/システムコンサルタントなど

月単価100万円程度の案件を獲得するためには、豊かな知見、確かな技量と、コンサルティングを含む包括的な価値提供が必須です。

・実務経験が5年以上あり、上流工程に関わるスキルをもっている
・コンサルティングができる
・高単価な言語を習得済み

これにはシステムコンサルタントなどが当てはまります。

フリーランスエンジニアが単価を上げる方法

スキルやキャリア、職種によって単価が異なるフリーランスエンジニアの世界。ここでは単価を上げる4つの方法を紹介します。

スキルアップを図る

システムやソフトウェアなどの開発において、業務内容が高度になるほど単価はアップします。

プロジェクトマネージャーなどの上流工程に関わる業務を担う人材になる、あるいは需要の高い言語を扱えるようになるなど、伸ばしたいスキルの方向性を決めて実務経験を積むようにしましょう。

また、複数工程や複数言語を手がけられるようにすることも単価アップにつながります。言語については独学でも習得できます。

クライアントとの信頼性を高める

クライアントから「次回以降もこの人に仕事をお願いしたい」と思ってもらえるような信頼関係を築くことも大切です。継続して仕事を発注してもらえるようになると、単価が上がる可能性があります。

クライアントとの信頼関係を高めるには「適切にコミュニケーションを取る」「納期を守る」「クライアントの要望に沿った成果物を納める」などの基本的なことを怠らないことが大切です。

クライアントの期待以上の成果を上げる

単価アップを実現するには、クライアントに「単価以上の仕事をしてもらった」と感じてもらえるような仕事をすることも大切です。単価相当の仕事にとどまっていては、クライアントに単価アップを検討する余地を与えられません。

クライアントの案件をより良いものにするための提案をする、トラブル発生時に率先して動くなど、依頼されたこと以上の働きを心がけましょう。

単価交渉を行う

クライアントから提示された単価で案件を受けているだけでは、収入アップは叶いません。そこで単価交渉を行うことがポイントとなります。単価交渉ができることは、フリーランスならではの利点です。

単価交渉を行う際には、これまで積んできた経験や身に付けているスキルを提示します。クライアントから中長期で案件を引き受けている場合は、当初よりもスキルアップしていることをアピールしましょう。

単価交渉するときのポイント

クライアントと単価交渉を行う際には、交渉を行う時期や方法について、下記のポイントを押さえておきましょう。

ベストなタイミングで交渉する

単価交渉を切り出すには、最適なタイミングがあります。うまく説得できるように、時期を見計らってクライアントに掛け合いましょう。

業務量が増えたとき

ある程度長い期間の案件を引き受けていると、途中で業務量が増えることがあります。

スケジュールはそのままで業務量が増える場合、従来の単価よりも時間単位・月単位でこなす作業量は増えることになるため、交渉すれば単価を上げられる可能性があります。

スキルアップしたとき

案件完遂後に新たな案件のオファーを受けられることは、クライアントの信頼を得られている証拠です。新しい案件を引き受けることを機に単価交渉を行えば、提案が通る可能性が高くなります。

ベストなタイミングで交渉する

新たに身に付けたスキルを活用して業務の幅を広げ、やり遂げたときも単価交渉に適したタイミングです。具体的にどのようなスキルを新たに身に付けて仕事をしたのかアピールすれば、単価アップに応じてもらえるかもしれません。

最新の単価相場を確認する

単価交渉を行う際、現在のスキルや職種、キャリアに応じた相場価格を提示しましょう。相場からかけ離れた単価アップの要求は、なかなか採用されません。

また単価相場は最新のものをチェックしましょう。以前なら扱えるエンジニアが少なくて単価が高かった言語であっても、扱えるエンジニアが増えて単価が下がっている場合があります。

スキルシートは詳細に記入する

価格交渉の際、クライアントはスキルシートの内容を重要視します。これまで培った経験やスキルについて、些細なことも書き漏らさないようにしましょう。ひとつの案件が終わるごと、あるいは新しい案件に参画する前に、スキルシートの内容を確認して最新の状態にしておきます。

スキルシートを添削してほしい、現状のスキルでの相場を知りたいという方は、フリーランスエンジニア向けのエージェント「セルプロフリーランス」をご活用ください。

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フリーランスへの転向を検討中で不安や悩みを抱えている方は、ぜひお気軽にご相談ください。

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まとめ

フリーランスエンジニアの単価は扱える言語やキャリア、職種に応じて単価が異なります。単価に応じた仕事を確実にこなすことはもちろん大切なことですが、スキルアップをして単価を上げる努力をしていくことも考える必要があります。

現在のスキルに対する相場観を持ちながら、業務量が増えたときや新規案件を引き受けたときに単価交渉を行います。また、価格交渉の際はスキルシートを最新の状態にしておきましょう。