社内システムの運用やセキュリティなどを担う、「守りの要」の部署である情報システム部門。企業の成長や株式上場において、なくてはならない重責を担う部門になります。今回は、そんな同部門で活躍しているリーダーの川村さんと、メンバーの山根さんにお話を聞きました。
農地を開墾するような、立ち上げ期の苦労と面白さ。
──セルプロモートに入社された経緯と、今の業務内容を教えてください。
川村さん(以下、川村):前職は携帯の販売職をしていたのですが、結婚して家族が増えたタイミングで「エンジニアになり、新たなキャリアに踏み出そう」と決心。独学で勉強し、ポートフォリオを制作したのですが、どのIT企業も「30代で未経験は厳しい」と言われ続けました。そんなとき、当社のOA事業部で「フィールドエンジニア」の募集があり、工事や接客の経験があったことから採用になったのです。入社後はお客様先のPCの設定や電話の配線、OA機器に関する困りごとに対応する業務をしていました。
その経験や、私自身の「社内システムエンジニアに挑戦したい」という強い気持ちを汲んでいただき、2023年4月に情報システム(情シス)に異動。現在は、リーダーという立場で株式上場に向けての社内システム管理や運用・整備、セキュリティ対策などを手がけています。また、「会議室のスピーカーがおかしい」といったときには飛んでいって対応するなど、フィールドエンジニアとして培った知見は現在も役立っています。
山根さん(以下、山根):ベンチャー企業のWeb制作会社でデザインからコーディング、ディレクションといった制作業務を経験。一度、地元に戻ったのですが「やはり、最先端の技術やエンジニアが集う東京で自分を磨きたい」と考えました。そこで当社の転職エージェントに相談していたところ、「ちょうどうちで社員を募集してるよ」と。面接はCOOの谷内さんと自社プロダクトの開発チーム部長の笹森さんに担当していただき、その豊富なキャリアと情熱に魅力を感じて入社を決意しました。
現在の業務は、社内向けにはポータルサイト『KAWAMURAKUN(かわむらくん)』のリニューアルやタブレットの設定を実施。社外向けには、フリーランスエンジニアにアプローチするマーケティング領域のWeb制作などを担当しています。まだ情シスとマーケ部署を兼任し始めて3ヶ月程度なので、やれることを増やしている最中です。
──立ち上げ期に苦労したことや面白いと感じたことは何でしょうか?
川村:情シス自体は2022年に立ち上がった部門で、当時の上司が1人で担当していたのですが「マンパワーでは限界がある」と、私も参画することに。すると上司が別事業に専念する必要がでてきたことから、再び私1人の部門になりました。苦労した点は、最初の頃「わからないことが、わからない」状態からのスタートだったことです。まずは自分でネットなどで調べた後、わからないことを周りのエキスパートたちに教えてもらいながら、徐々に学んでいきました。当時を振り返ると「裁量をもらえた状態」で進められたことで、着実に力が身に付いたと感謝しています。
苦労と楽しさを感じたのは、上司が作ってくれたベースをもとに情報を整理したり、仕組みに落とし込んだりした部分です。「農地を開墾していく」ような気持ちで、手探りながら取り組んでいたのをよく覚えています。例えば社内のポータルサイトをゼロから立ち上げたのは大変でした。しかし、今はそれが社員全員に広まり、みんなが使ってくれているのを見ると、うれしい気持ちになります。セキュリティ規定などについても、運用レベルに落とし込むためには、現場の声を拾いながら設定することが必要です。情シスは「会社の守りの要」として堅牢性が求められる一方で、ガチガチにしすぎてしまうと運用しにくくなることも。臨機応変な対応の重要性を実感しました。
実務で培った制作力が息づく、社内ポータルサイト。

──山根さんが参画されて、『KAWAMURAKUN』のリニューアルを進められたとのことですが、苦労したところや工夫された点などを教えてください。
山根:社内規定やマニュアルなど全て詰まっているため情報量が多く、整理するのが大変でした。工夫した点としては、使用しているツールの「見せ方」などを考えてリニューアルしたことでしょうか。「どこに何があるか」をユーザーがより直感的にわかるように、構造などを決めていきました。あとは、デザイナー目線での写真配置など「見やすさ」に配慮しました。
川村:リニューアル後のサイトは非常に見やすく、ユーザーも使いやすくなっています。「さすがクリエイターだな」と感じましたね。
──情シス部門で働く「やりがい」はどんなときに感じますか?
川村:まず「ゼロイチの面白さ」があります。そして、「守り」と同時に「攻め」もできるところがやりがいです。今、社内のDX化を山根くんにも手伝ってもらいながらRPAで進めているのですが、全事業と連携して「課題を洗い出して、解決する」という面白さがあります。例えば、これまでは確認のためにほかの部署を迂回していた「申請書」が、入力するだけで「自動的に経理に送られる」といった、手間を省く仕組みを作りました。
直近で挑戦したいのはAIを駆使した、プロセスの自動化です。この分野の可能性は無限大に広がっていると思います。また、「株式上場を目指す、情シスのリーダー」という役職は、ほかでは得にくい経験です。そんなチャンスを与えてもらっている環境そのものが、やりがいにつながります。
山根:情シスに配属される直前に、谷内さんから声をかけてもらって「マーケティングは攻めで、情シスは守り。“攻守”ともに幅広くできる対応ができて、なおかつWeb制作の経験者がある人は少ない。制作で培った力をぜひ発揮してほしい」と、価値を認めてもらったことはうれしい経験でした。
あと、今は個人的にいろいろなことに挑戦したいと考えているので、各部署に「なんでもやります!」と積極的に伝えるようにしています。そのなかで「営業部から資料作成を依頼される」など、自身のキャリアを活かせるシーンがあるのは、やりがいにつながっています。
ほかにも、マーケティング領域で、自分がデザインした制作物でエンジニアが応募してくれるという「数字の達成」は大きなやりがいにつながります。制作するときは「どんなコンテンツ、どんなデザインが刺さるか?」を常に模索しているのですが、ターゲットとなるエンジニアが周りにたくさんいるので、周囲のメンバーに聞けば聞くほどブラッシュアップできる環境もありがたいですね。
現場の声を汲み取り、柔軟性のある情シスを構築。

──お二人共通の趣味である、「筋トレ」についても少しだけ聞かせてください(笑)。
川村:そうですね(笑)。私は自宅にダンベルなどを揃えて、トレーニングするのが朝のルーティーンになっています。山根くんは会社では後輩になりますが、筋トレのキャリアは先輩なのでいろいろとレクチャーを受けていますよ。
山根:川村さんとももちろん話しますが、実はセルプロモートの採用面接のときに谷内さんとも筋トレの話で盛り上がったんです。「筋トレの話で採用されたんじゃないか」と思えるくらい打ち解けられたのを覚えています(笑)。筋トレの話は、社内メンバーとの関係性を紡ぐ上での潤滑油になっていると感じます。
川村:確かに山根くんのデッドリフト180kgをあげた話は谷内さんも「すげー!考えられない!」とほめていましたね。
──お二人の「今後の展望」を教えてください。
川村:目標としているのは「モダンな情シス」です。固定観念にとらわれず、柔軟性を持ち、現場の声を汲み取りながら、会社全体でしっかりと噛み合って稼働するシステムの構築を目指します。株式上場など、会社規模の拡大に伴って、メンバーも増員することでしょう。それをまとめていくためには、リーダーとしてマネジメント力を引き上げていくことが重要だと認識しています。これからも「攻め」の姿勢をもちつつ、メンバーにも同じ姿勢で働いてもらえるような組織にしていきたいです。
山根:個人的には「自分の腕を磨きたい」という気持ちが強いので、さまざまなことに挑戦してスキルアップし、その力を会社に還元したいというのが今の目標です。また、入社してまだ浅いこともあり、良くも悪くも当社の色には染まっていないので、新たな視点を活かすことで、会社への貢献につなげたいという思いがあります。例えば、「ほかの部署に積極的に声をかける」のもそうですが、それに限らず幅広くいろんな業務にトライしたいです。
展望として一つあるのは、これまでやってきた「デザイナー」としてより確立した存在になっていくことです。情シスにいるからこそやりたいこととしては、「攻め」の業務ですね。ただ、いかんせんまだまだこれからなので、それが「社内制度の改革」につながるものか、「業務効率化」につながるものかは定まっていません。日々の業務に打ち込みつつ、模索します。