システムエンジニアのキャリアプランとは?考え方と4つの選択肢を解説

キャリアプランを考えることは、将来へ向けた行動指針を立てるために大切です。特にSE(システムエンジニア)はキャリアの選択肢が多様にあることや、30代の働き方がキャリアアップに影響することから、明確なキャリアプランの形成が欠かせません。今回は、SEのキャリアプランについて、考え方やポイントを解説します。SEにおすすめのキャリアパスも紹介しているため、キャリアプランを立てる際の参考にしてみてください。


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【システムエンジニア】キャリアプランを考えるべき理由

キャリアプランとは、将来に向けたキャリア計画を立てることです。とくに、「転職活動を始めるとき」「自分の将来について考えるとき」にキャリアプランを考えることが重要とされています。

どの職種でもキャリアプランを立てることは大切ですが、特に専門性の高いSEはきちんとキャリアプランを立てることが大事です。ここでは、なぜSEがキャリアプランを考えるべきなのか、その理由を解説します。

キャリアの選択肢が増加したため

まずひとつは、IT業界の発展にともない、エンジニアとしての職種が増加したためです。プロジェクトリーダーやプロジェクトマネージャーとしてのキャリアアップだけでなく、ITスペシャリストやITアーキテクトなど、さまざまな選択肢があります。

仕事にやりがいを感じ、充実感を持って長く働き続けるためには、自分に合った仕事を選ぶことが大切です。キャリアの選択肢が多いからこそ、キャリアプランを入念に立てましょう。

30代の働き方がキャリアアップに関係するため

次に、SEのキャリア形成において、30代はターニングポイントといわれているためです。40歳を過ぎて組織の根幹を担う年代になったときに、技術力が不十分だと不利になってしまいます。

一般的に20代は若手として知識や経験を積む時期といえます。30代になると20代での経験や知識を活かして、責任のある仕事を任せられるでしょう。その重要なポジションを任せられたときに、多く実績を残すことがキャリアアップには大切です。

SEからスペシャリストやプロジェクトマネージャーといったキャリアアップを目指すのであれば、明確なキャリアプランを立てて働き方を考える必要があります。

ライフイベントに合わせた働き方を選択するため

ワークライフバランスを整えるためには、ライフイベントに応じた働き方を選択することが大切です。特に女性は結婚や出産によって長期的に仕事ができなくなる場面が増えます。そういった場合にSEとして復帰するのか、それとも違う職種を選択するのかを考える必要があります。

システムエンジニアのキャリアプラン4選

システムエンジニアの主なキャリアプランは、以下の4種類です。

1.上流工程にキャリアアップ
2.異職種へキャリアチェンジ
3.同職種へ転職
4.フリーランスとして独立

それぞれのメリットや具体例を解説します。

1.上流工程にキャリアアップ

システムエンジニアは上流工程になるほど責任が大きくなりますが、その分市場価値が上がり、年収もアップしやすくなります。

プロジェクトリーダー(PL)

プロジェクトリーダー(PL)は、システム開発プロジェクトのリーダーとして、戦略立案や進行を行う職業です。

現場責任者として動く必要があるため、エンジニアとしての技術はもちろん、コミュニケーション能力やリスク管理能力も求められます。ポジションとしてはSEのひとつ上の階層にあたります。

プロジェクトマネージャー(PM)

プロジェクトマネージャー(PM)は、企業が抱えるすべてのシステム開発のプロジェクトを管理する職業です。

PMは決裁権限をもつ管理職であることが多く、プロジェクトの企画・立案や進捗管理、クライアントとの交渉、リソースの配分など業務範囲も幅広いのが特徴です。そのため、各工程におけるシステム開発の経験や、マネジメント能力などが必須です。

ITコンサルタント

ITコンサルタントは、クライアント企業が抱えるビジネス課題をIT技術で解決する職業です。具体的には、クライアント企業の要望や課題をヒアリングし、IT戦略の立案やシステムの導入支援などを行います。

ITコンサルタントになるにはIT分野における高い専門性と豊富な経験が必要です。加えて、ITシステムを提案・説明できるコンサルタントとしてのスキルが求められます。

年収が高く、やりがいのある職種としても人気です。将来的なキャリアパスとして、視野に入れるとよいでしょう。

データサイエンティスト

データサイエンティストは、ビッグデータから必要な情報を抽出・分析し、企業のビジネスにおける意思決定をサポートする職業です。いまでは多くの企業がデータを事業に活かしています。

たとえば、過去数年分のユーザー情報を分析して営業業務の効率化、ECサイトでユーザーの購入・閲覧履歴を分析した広告の最適化などです。

データサイエンティストにはエンジニアのスキルに加えて統計学やデータ解析ツールを扱うスキル、コンサルティングスキルなどが求められます。転職難易度は高めですが、将来性が高いため検討してみるのもよいでしょう。

2.異職種へキャリアチェンジ

需要が高い、あるいは今後需要が高まると予想される職種にキャリアチェンジし、専門性を磨くことでも年収アップを狙えます。

AIエンジニア

AIエンジニアは、ビッグデータの機械学習やディープラーニングを活用し、AI(人工知能)の開発や精度向上などを行う職業です。

今や人工知能は医療や接客をはじめとする幅広い分野で利用されているため、AIエンジニアの活躍の場も広く、将来性が高まっています。

AI開発で必要なプログラミング言語はPython・Java・C言語などで、TensorFlowやKerasなどのフレームワークを扱うスキルも必要です。

IoTエンジニア

IoT製品やIoTシステムの開発を行うのがIoTエンジニアです。IoTとは、Internet of Thingsの略で、「モノのインターネット」を指します。「モノ」にセンサーやカメラ、無線通信などが搭載され、感知した情報をインターネットでやり取りする仕組みです。

身近なものでは、スマートスピーカーやエアコンといった家電にもIoT技術が使われています。近年、あらゆる分野でIoTが活用されており、将来性が期待できます。

仕事内容はプロジェクトの設計やプログラミング実装、システム運用などです。SEと大きな変わりはありませんが、IoTに関する知識、ハードウェアに関する知識が求められます。

セキュリティエンジニア

セキュリティエンジニアは、安全性を考慮したシステムの設計・構築や、セキュアプログラミングの運用などを行う職業です。

近年、情報漏洩やサイバー攻撃などのリスクが高まっており、その対策の一環としてセキュリティエンジニアの需要も増大しています。

このポジションを目指すためには、セキュリティに関する知識やIT・インフラの基礎スキルが必須です。また、経営やIT関連の法律に関する知識も求められます。

セールスエンジニア

セールスエンジニアは営業職と共に行動し、製品の説明や技術サポートを行いながらセールス活動に貢献する職業です。エンジニアではあるものの、実際の業務は営業寄りであるため、コミュニケーションスキルや交渉スキルも求められます。

豊富な専門知識を持ち、販売からアフターフォローまで行うため、需要が高まっています。コミュニケーションスキルに自信がある人は、セールスエンジニアを目指してみるとよいでしょう。

3.同職種へ転職

同職種への転職であれば、これまでに培ったITやシステムに関する知識や経験を活かしながら、対応力やコミュニケーション力も身に付けることができます。

社内SE

最近は多くの企業がIT化やDX化を進めていることから、IT人材の需要が高まっています。そのため、IT分野以外の業種の企業で、社内システムの開発・運用などを担う社内SEを目指すのもおすすめです。

IT人材が少ない中小企業などでは、上記に加え業務システムの効率化や不具合対応などを任せられる場合もあります。

ブリッジSE

ブリッジSEは、オフショア開発において海外企業との橋渡し役を担う職業です。オフショア開発とは、経費削減を目的として賃金の安い海外企業・法人に開発作業を委託することを指します。

業務の依頼や計画や仕様の説明、設計書の翻訳、成果物の品質チェックなどを担当するため語学力が必要です。また、海外チームとスムーズに仕事を進められるコミュニケーション能力やマネジメント能力も求められます。

4.フリーランスとして独立

それなりのスキルや実績がある場合は、フリーランスとして独立するキャリアプランもあります。働く場所・時間を自分でコントロールしやすく、能力や成果に応じた報酬が手に入るのがメリットです。

最近はフリーランスエンジニア専用のマッチングサービスなどが充実しつつあるため、エンジニアとしてのスキルさえあれば独立しやすくなっています。

システムエンジニアがキャリアプランを考える際のポイント

キャリアプランを立てる際、重要なポイントは以下の3つです。

・自己分析
・業界のニーズ
・希望の働き方

それぞれ詳しく説明していきます。

自己分析をしっかり行う

自己分析は、現在の自分を知り、今後の方向性を決めるために重要です。改めて、自分がどのような仕事をしたいかを冷静に分析しましょう。

現在持っているスキルや経験、今後目指す目標などを書き出してみることがおすすめです。自分の得意な分野や苦手な分野、好きなことが見えてくるでしょう。

あわせて、現在の自分の働き方が得意分野や好きなことなのか、考えてみてください。苦手な仕事を続けてもモチベーションを維持しにくく、キャリアアップが難しくなることがあります。その場合は、今後のキャリア選択を再検討する必要があるかもしれません。

好きな仕事や得意分野であれば、充実感を持って働くことができるでしょう。学び続けること、成長できることが楽しいと思えることができる仕事なら、キャリアアップを前向きに捉えることができます。

需要が高まる分野を見極める

IT業界は技術やトレンドの変化が激しいため、現在主流の技術が10年後には古いものとなっている可能性があります。10年後や20年後も安定して働き続けるためには、今後需要が高まる分野を見極め、その分野で必要とされるスキルを身につけることが大切です。

よくIT業界は慢性的な人手不足といわれますが、その理由には人材需要の変化もあります。従来のITスキルを持った人材よりも、AIやビッグデータ、IoTといった先端IT人材が足りていないのです。

キャリアプランは今後需要が高まる職種を把握したうえで設計しましょう。また新しい技術だけでなく、既存技術でも今後需要が伸びる分野がないか考えてみることも大切です。

自分に合った働き方を考える

充実感をもちながら働き続けるためには、自分に合った働き方を考えることが重要です。今後のキャリアプランを考える際にも、希望の働き方を軸として設計していくことができます。

とくに、SEは他職種と比べて柔軟な働き方ができるといわれています。実際にリモートワークやフレックスタイム制を取り入れている企業も多くあります。

また、スキルを身につければフリーランスになることも可能です。フリーランスになれば自分の裁量次第で年収を上げられますし、自分の好きな時間に働けます。正社員としてのキャリアアップだけでなく、フリーランスとしての独立が合っている人もいるでしょう。

まとめ

自分に合った仕事をし、充実感を持って日々を過ごすためにはキャリアプランを立てることが大切です。特にIT業界は変化が激しいため、「SEとして将来どうなりたいか」「SEから別のキャリアを歩むのか」などを考えておくことで、安定した働き方を目指せます。

キャリアプランについて悩みがあり、フリーランスも視野にいれている方はぜひ「セルプロフリーランス」へご相談ください。

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