PMOの年収はいくら?年齢・経験年数・企業規模で比較!

プロジェクトマネジメントの標準化・効率化を担当する部門や構造システムであるPMO(プロジェクトマネジメントオフィス)は、ITエンジニアのキャリアパスとして人気があります。 PMOにはITスキルやプロジェクトマネジメントスキル、文章作成スキルなど、専門的かつ幅広いスキルが要求される分、年収も高いといわれています。このポジションを目指すにあたって具体的な年収がどの程度になるのかは気になるものですよね。 そこで今回は、PMOの平均年収について、雇用形態・年齢・経験年数・企業規模に分けてご紹介します。記事の後半ではPMOとして高収入を得るために必要なスキルや資格も解説しているため、ぜひ参考にしてみてください。


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PMOの平均年収【1】雇用形態別

ここでは、PMOの平均年収を「正社員」「派遣社員」「フリーランス」の雇用形態に分けて紹介します。

正社員PMO:560~900万円

会社員としてPMOに従事する場合、一般的にコンサルファームやSIerなどの企業に所属します。企業によって異なりますが、正社員の場合は560万〜900万円が平均年収の目安です。大手企業や外資系企業は年収水準が高めに設定されている傾向にあり、年収1,000万円を目指すことも可能です。

派遣PMO:700万程度

派遣で働くPMOの平均年収は700万円です。厚生労働省の『令和3年度 労働者派遣事業報告書の集計結果』によると、派遣社員全体の平均年収は約377万円(1日15,698円から計算)と、派遣社員のなかでも高水準の年収であることが分かります。

出典:令和 3年度 労働者派遣事業報告書の集計結果(速報)

フリーランスPMO:1,000万円~

フリーランスPMOの単価相場は1件あたり80万〜100万円で、平均年収は1,000万円〜です。会社員の場合は会社の規定に沿って給与が支払われますが、フリーランスの場合は自分の裁量で年収が決まります。

すなわち高単価の案件を狙ったり、案件の数を増やしたりすれば、その分収入を増やすことができます。実際、フリーランスPMOで年収が2,000万円を超える人もいます。しかし、フリーランスは自分の力で仕事を獲得していく必要があるため、営業力がない人やスキルが不足している人は、正社員PMOよりも稼げない場合があります。

PMOの平均年収【2】年齢別

以下は、厚生労働省の『令和4年賃金構造基本統計調査』からPMOと似ているポジションである「情報処理プロジェクトマネージャー」を含む「システムコンサルタント・設計者」の年収を年齢別に比較した表です。

〜 19歳 約264万円
20 〜 24歳 約375万円
25 〜 29歳 約510万円
30 〜 34歳 約649万円
35 〜 39歳 約726万円
40 〜 44歳 約738万円
45 〜 49歳 約761万円
50 〜 54歳 約738万円
55 〜 59歳 約688万円
60 〜 64歳 約705万円

20代後半から年収が大きく上がり、40代後半が最も高収入でした。このことからPMOはスキルと経験によって年収が上がることが分かります。

出典:令和4年賃金構造基本統計調査 結果の概況|厚生労働省

PMOの平均年収【3】経験年数別

上記と同様に厚生労働省の調査より、PMOの経験年数別の年収をご紹介します。

0年 約393万円
1~4年 約574万円
5~9年 約564万円
10~14年 約645万円
15年以上 約690万円

上記の表から1年目〜4年目、10年目〜14年目で年収が大きく上がることが分かります。

出典:令和4年賃金構造基本統計調査 結果の概況|厚生労働省

PMOの平均年収【4】企業規模別

続いて、同調査から企業規模別のPMOの平均年収をご紹介します。

10~99人 約573万円
100~999人 約607万円
1,000人以上~ 約788万円

上記から企業規模が大きくなるほど高収入になることが分かります。正社員として高収入を目指したい方は、大手企業への就職・転職を検討すると良いです。

出典:令和4年賃金構造基本統計調査 結果の概況|厚生労働省

PMOの将来性は高い!

IT業界は目まぐるしく成長・発展している一方、人材不足も深刻化しています。それも従来のスキルを持つ人ではなく、AIやIoT、クラウドなどの最先端技術を身に付けたIT人材が求められるようになっています。

これらの技術が登場したことによってプロジェクトも複雑化・多様化しつつあるため、企業のニーズに応えられる人材はそう多くはいません。

高度な技術を備えたPMO人材は将来性が高く、高収入も目指せます。現在エンジニアとして働いており、年収アップを目指している方はPMOへのキャリアアップがおすすめです。

PMOとして年収を上げるために磨きたい知識・スキル

高収入を得るPMOになるために、以下で紹介する5つの知識・スキルを磨きましょう。

ITスキル

PMO自身がシステムの設計や開発を行うことは基本的にありません。とはいえ、プロジェクトメンバーに対して指示を出したり、タスクを振り分けたりする業務を行います。そのためITプロジェクト全般の知識と開発スキルは必要です。それゆえにPMOへの道のりとして、エンジニアからのキャリアアップが一般的とされています。

また、プロジェクトに関連する業界特有の知識やトレンドなども押さえておくと良いです。

プロジェクトマネジメントスキル

PMOの役割は企業におけるプロジェクトマネジメント全体を支援することです。会社が抱える全案件を把握したうえでプロジェクト計画の作成やリソース(人材、資源、予算など)を管理する必要があるため、高いプロジェクトマネジメントスキルが求められます。

文章作成スキル

会議資料や報告書を作成するのも業務のひとつです。WordやPowerPointなどのオフィス系ソフトを使用する技能や、読みやすい文章を作成する能力が欠かせません。

コミュニケーションスキル

PMOはプロジェクトメンバーやステークホルダーなど、社内外でコミュニケーションを取る機会が多いため、コミュニケーションスキルが必須です。高いコミュニケーション能力を有することでプロジェクト進行がスムーズになるほか、メンバー間の認識の違いも防ぎやすくなります。

問題解決能力

プロジェクト進行中はリソース不足や要件変更、システムトラブルなど何かしらの問題が発生します。トラブルが生じた際は、迅速に原因を特定してメンバーに適切な指示を出す必要があります。問題解決能力が低いと、プロジェクトの遅延につながります。

PMOを目指すなら資格取得もおすすめ!

前述したように、PMOを目指すなら専門的な知識やスキルを習得する必要があります。それらを身に付ける手段のひとつとして、資格取得がおすすめです。資格は客観的に能力を証明するアピール材料にもなります。PMOへのキャリアアップを有利に進めたい方は、ぜひ以下ふたつの資格取得を目指してみてください。

プロジェクトマネジメント・アソシエイト認定資格

プロジェクトマネジメント・アソシエイト認定資格とは、PMOの基礎知識や基礎概念を習得していることを証明できる資格で、PMOを目指すうえで最初に取得すべき資格ともいえます。

試験はオンライン完結型となっており、事前に主催団体が提供する映像型のeラーニングで学習を修了してから認定試験を受ける流れとなっています。合格に必要な時間の目安は、eラーニングと自習を合わせて約30〜50時間です。試験時間は2時間で、120問出題されます。合格ラインは試験問題の75%です。

特別な受験資格はなく、eラーニングさえ修了すれば誰でも受験できるため、ぜひ挑戦してみてください。

PMOスペシャリスト認定資格

PMOスペシャリスト認定資格は、前述したプロジェクトマネジメント・アソシエイト認定資格と同じく、日本PMO協会が主催しています。資格試験では、PMO導入のプロセスやミッションの管理など、より実践的なプロジェクトマネジメントのスキルが問われます。

受験条件として「当協会or他団体のプロジェクトマネジメント関連資格を有する方」と定められており、誰でも受験できるわけではありません。まずは上記で紹介したプロジェクトマネジメント・アソシエイト認定資格を取得してから、こちらの資格にチャレンジしてみてください。

また本資格にはランクアップ制度もあり、もう1段階上のスキルが問われる資格試験にも挑戦できるため、資格取得を通して少しずつステップアップを図れます。

まとめ

PMOの平均年収は、雇用形態や経験年数、企業規模などによって大きく異なりますが、さまざまな業種のなかでも年収水準は高めであるといえます。プロジェクトマネジメントスキルやITスキルなどを磨けば、年収1,000万円を目指すことも可能です。さらに、フリーランスになれば完全自己裁量となるため、年収2,000万円も目指せます。

現在エンジニアとして働いていて、高収入を得たいと考えている方は、ぜひPMOを目指してみてください。