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ネットワークエンジニアに将来性はある?
IT技術やサービスが発展し続けている現代では、コンピューターネットワークの設計、構築、運用を行うネットワークエンジニアの将来性は高いといえます。
とはいえ、ネットワークエンジニアも含めて、生涯安泰な業界、職種は基本的にありません。特に、終身雇用制度が不安定になりつつある日本では、大手企業であっても定年まで勤められるかは定かではないでしょう。
また、IT業界は変化と競争の激しい業界であるため、キャリアパスを検討することも大事です。選択肢のひとつである転職に備えて、最新の技術やトレンドの知識を身に付けておくと良いです。
総合職系ネットワークエンジニアのキャリアパス
大きく分けて「総合職系(ゼネラリスト)」と「専門職系(スペシャリスト)」の2種類がネットワークエンジニアのキャリアパスとして挙げられます。総合職系は主にプロジェクトを指揮・管理する立場で、専門職系は特定の分野に特化したエンジニアのことです。
ここでは、ネットワークエンジニアのキャリアパスとして、総合職系の職種をご紹介します。
インフラエンジニア
インフラエンジニアは、サーバーやネットワークなどのインフラストラクチャの設計、構築、運用、保守などを担当するエンジニアです。
インフラエンジニアとネットワークエンジニアは関連性が高い職種です。ネットワークエンジニアはネットワーク領域を担当するのに対し、インフラエンジニアはインフラ環境全般を担当します。
また、インフラエンジニアにはネットワークの知識に加えて、サーバーやセキュリティに関する専門知識が求められます。ネットワークエンジニアとして働いた経験が活かせるため、キャリアパスとしておすすめです。
クラウドエンジニア
クラウドエンジニアはクラウド基盤の設計、構築、運用、管理などを担当するエンジニアです。AWS、Azure、GCPなどのクラウドでITインフラを構築するスキルが求められます。
近年では、自社でサーバーを保有し運用するオンプレミス型よりもクラウド型の方が需要は高くなっているため、クラウドエンジニアは将来性が高い職種といえるでしょう。
また、ネットワークエンジニアと同様にインフラ環境の構築を行うことから、ネットワークエンジニアで身に付けたスキルも活かせます。
フルスタックエンジニア
フルスタックエンジニアとは、システムの要件定義から開発、保守まで一貫して行えるエンジニアのことです。幅広い領域での開発業務を担当するため、IT分野に関するさまざまな知識やスキルが求められます。
複数のエンジニアに依頼して開発を進めるよりも、1人のエンジニアにすべての工程を任せた方がコストを抑えられることがほとんどです。そのため、開発コストを抑えたいスタートアップ企業やベンチャー企業をはじめ、フルスタックエンジニアの需要は高いといえます。
エンジニアとして専門性を広げたい方は、フルスタックエンジニアを目指してみるのをおすすめします。
ITコンサルタント
ITコンサルタントとは、IT分野で課題を抱えるクライアント企業に対し、戦略的なアドバイスやソリューションを提供する専門家のことです。
具体的には、組織のビジネス目標やニーズに基づいて、ITの活用方法や最適化する方法を提案し、組織の効率性や競争力を向上させるための戦略的な支援を行います。
ITコンサルタントはコンサルティングが主な仕事であるため、実際に開発を行うエンジニアとは業務内容が大きく異なります。
また、ITコンサルタントはエンジニアとしての専門的な技術やスキルに加え、クライアントの要望や課題を引き出すコミュニケーションスキルも欠かせません。しかし、システム開発に精通していればクライアントに説得力のある提案が行えるでしょう。
プロジェクトマネージャー
プロジェクトマネージャーは、システム開発における責任者であり、プロジェクトの計画から実行、完了に至るまでのマネジメント業務を行う職種です。
ソフトウェアやアプリケーションの開発におけるリソース、スケジュール、予算、品質などの要素を管理し、プロジェクトを成功に導く責任をもちます。
また、クライアントに対してプロジェクトの進捗状況を報告したり、方向性を確認したりするなどのやり取りも仕事のひとつです。そのほか、プロジェクトチームの指導と管理、システムの品質を確保するための品質管理なども担います。
プロジェクトマネージャーになるには、システム開発の工程を熟知したうえで、マネジメントスキルを磨くことが重要です。
専門職系ネットワークエンジニアのキャリアパス
「エンジニアとして働き続けたい」「専門性を磨きたい」といった方は、専門職系(スペシャリスト)へのキャリアパスを検討すると良いでしょう。ここでは専門職系へのキャリアパスをご紹介します。
ネットワークスペシャリスト
ネットワークスペシャリストとは、ネットワーク技術に特化したエンジニアのことです。ネットワークエンジニアと同様に、ネットワークの設計、構築、運用、トラブルシューティングなど、ネットワークに関連するさまざまな業務を担当します。
ネットワークスペシャリストは、システム開発の上流工程である要件定義や設計書作成などに関わることも多く、ネットワークエンジニアからキャリアアップしたい方におすすめです。
テクニカルサポートエンジニア
テクニカルサポートエンジニアは、顧客やユーザーからの技術的な問題やトラブルに対して解決策を提供し、サポートするエンジニアです。
ソフトウェアやハードウェア、ネットワーク、システムなどに関する技術的な問題を分析し、クライアントやユーザーとコミュニケーションを取りながら解決策を見つけます。
テクニカルサポートエンジニアには特定の製品に特化した知識、問い合わせに対応するコミュニケーションスキル、課題解決スキルなどが求められます。
クライアントやユーザーと直接やり取りすることも多いため、問題を解決した際に感謝の言葉をもらえることもあり、やりがいのある職種といえるでしょう。
セキュリティエンジニア
セキュリティエンジニアは、情報セキュリティに特化したエンジニアです。クライアント企業のニーズや開発要件に基づいて、適切なセキュリティ制御や対策を組み込んだ設計を行います。
セキュリティエンジニアも一般的なITエンジニアと同様に、企画から設計、実装、テスト、運用保守など業務内容は多岐にわたります。
セキュリティエンジニアになるには、セキュリティ対策やリスクマネジメントに関するスキルが必要です。転職をはじめキャリアパスを実現させるためにも、情報セキュリティに関する資格を取得しておくと良いです。
ネットワークエンジニアがキャリアアップを図る方法
実力主義の風潮があるIT業界では、単純に年齢を重ねてキャリアアップできるわけではありません。年齢の若いエンジニアでも、スキルが高ければ上級職にキャリアアップするケースがあります。ここでは、ネットワークエンジニアが着実にキャリアアップする方法をご紹介します。
運用・保守など下流工程を経験する
ネットワークエンジニアからプロジェクトを管理する立場へキャリアアップしたい場合は、プロジェクトにおけるさまざまな工程を経験することが大事です。
運用・保守といった下流工程を経験することで、ネットワーク全体の機能や動作に関する実践的な理解を深められます。また、運用上の課題やトラブルシューティングの経験は、設計や実装にも役立つでしょう。
ほかにも、下流工程の経験は問題解決力を向上させるためにも重要な要素です。運用・保守の下流工程では、実際のネットワーク環境で発生する問題に対処する機会があります。ユーザーからのトラブル報告やネットワークの障害に対応し、問題解決力を磨くことが可能です。
また、ユーザーとのコミュニケーションやトラブルシューティングのスキルは、ネットワークエンジニアとしての価値を高める要素となるでしょう。
ネットワーク系の資格を取得する
自分の知識やスキルを客観的に証明するためにも、業務に活かせる資格を取得するのがおすすめです。ネットワークエンジニアであれば、以下のようなIT・ネットワーク関連の資格を取得を目指すのも良いです。
・基本情報技術者試験
・応用情報技術者試験
・ネットワークスペシャリスト試験
上記のほかにも、IT関連の資格は多くあります。資格の取得には時間を要するものも多いため、自身のキャリア形成に役立つ資格を吟味して取得を目指しましょう。
設計・構築など上流工程を経験する
下流工程を経験したら、設計や構築などの上流工程を任せられるようになるのが一般的です。上流工程ではネットワークエンジニアとしての専門的な知識に加え、コミュニケーションスキルやマネジメントスキルが求められます。
上流工程で得た経験は、ネットワークスペシャリストやプロジェクトマネージャーといったキャリアアップに役立ちます。
まとめ
ネットワークエンジニアのキャリアパスには、「総合職系(ゼネラリスト)」と「専門職系(スペシャリスト)」の大きく分けて2種類あります。
プロジェクトを管理するポジションになりたいか、専門的な分野を突き詰めたいかなど、自分の目指す方向を踏まえてキャリアパスを考えましょう。