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ITコンサルタントのキャリアパスは大きく分けて2つ
ITコンサルタントのキャリアパスは、大きく分けて「スペシャリスト」と「ゼネラリスト」の2つです。
それぞれのキャリアパスについて詳しく解説します。
スペシャリスト
スペシャリストは、限られた分野の専門家を目指すキャリアパスです。
例えば、セキュリティ対策に特化してコンサルティングを行う、財務系の業界に特化してシステム開発の課題解決に当たる、などがあげられます。深い専門知識や最新の情報まで把握した上で、複雑な技術面の課題などを解決するスキルが求められます。
ゼネラリスト
ゼネラリストとは、幅広い分野についての知識や経験を活かして、包括的な解決策を提示する役割を目指すキャリアパスです。
特定分野における技術面の課題というよりも、経営戦略や組織の変革・効率化といった、より俯瞰的な視点からの分析や課題解決にあたることが求められます。
ITコンサルタントの具体的なキャリアパス
ITコンサルタントの具体的なキャリアパスとして、5つのパターンが考えられます。
それぞれ詳しくみてみましょう。
1.在籍企業内での昇進
在籍するコンサルティングファーム内でステップアップを目指すのが最も多いキャリアパスです。アナリスト→コンサルタント→マネージャー→パートナー(共同経営者)の順で昇進するケースが多いでしょう。
昇格や昇進のタイミングは企業によって異なりますが、アナリストやコンサルタントとして5~7年ほどキャリアを積むことで、役職者のポジションへの昇進が期待できるでしょう。
マネージャーに昇進して成果を出し続けることでパートナー(共同経営者)を目指す道もみえてきます。
将来的に、経営層として組織を引っ張っていきたいと考える方は現在の職場でキャリアアップを目指しましょう。
2.ビジネス・戦略コンサルティングファームへの転職
ITコンサルタントの経験とスキルがあれば、多くの業種から転職先が選べます。転職して新たな経験を身に付けたり、ステップアップを目指したりするのもひとつの方法です。
例えば、ITコンサルタントとして2年以上の経験があれば、ビジネス・戦略系のコンサルティングファームへの転職が可能です。経営に携わるためにステップアップを目指すなら、戦略系ファームやブティックファームへの転職が視野に入ってきます。
ただし、大手の総合系コンサルティングファームは若手の社員をシステム導入コンサルタントとして起用するケースが多いため、システム開発などの部署へ配属される可能性があります。知見を広げたいのであれば、戦略・ビジネスなどほかのサービスラインを狙うことがおすすめです。
3.情報システム部へのキャリアチェンジ
ITコンサルタントの経験があると、情報システム部へのキャリアチェンジも可能です。運用・保守ではなく、IT投資計画策定やITグランドデザインといった、ITコンサルタントの経験を活かせる役割を求められることが多いでしょう。ベンダーや製品の選定を任されることもあります。
そのまま昇進すればCIOや経営・事業企画などの近いポジションを狙えることもありますが、転職によって年収が下がる可能性が高い点に注意が必要です。
4.SIerへの転職
ITコンサルタントの経験があれば、SIerへの転職も目指せます。SIerとは、システム設計・開発から導入サポート、製品の選定、運用開始後の保守までワンストップで行う企業のことです。
クライアントがどのような問題や課題を抱えているのかを洗い出し、どうすれば解決できるのかを提案するコンサルティングの役割を担います。そのため、ITコンサルタントの経験があると、組織を牽引する即戦力として期待されるでしょう。
ITコンサルティングと業務内容はほとんど同じですが、日系事業会社で働きたい方、組織で活躍したい方にはおすすめです。
5.競合他社への転職
現職で上長との相性が合わない、会社の方針と合わないという場合は、競合他社への転職という選択肢もあります。転職先によっては、業務内容はほとんど変わらず、年収アップを狙えることもあるでしょう。
とはいえ、同業に転職するということは、転職後も今と同じように理想と現実のミスマッチで悩む可能性があります。必ずしも転職すれば悩みから解放されるわけではないことは理解しておきましょう。
6.独立・起業
企業に属さず自由な働き方をしたい方は、フリーランスとして独立するパターンもあります。実績やスキルと、それをアピールできる営業力があれば、会社員時代をはるかに超える年収を得られる可能性があります。
どれくらいの収入が得られるかは人それぞれですが、ITコンサルタント歴5年程度の方なら、月120~180万円ほどの高収入も期待できるでしょう。
高い専門知識がある、マネージャー以上の役職経験があるといった方なら、月200~300万円以上の収入を得ることも夢ではありません。
ITコンサルタントを目指す方の中には、最初から起業を目指して経験を積む方もいます。その場合は、会社員時代の人脈構築が重要です。
プロジェクトチームのメンバーが集まり、軌道にのれば、自分ひとりの力では成し得ない大型案件を手掛けることもできます。さらなる高収入も目指せるでしょう。
キャリアパスの一環としてフリーランスを検討している方は、ぜひセルプロフリーランスをご活用ください。独立、営業支援から高単価な案件の紹介まで、フリーランスの活躍を全面サポートしております。
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ITコンサルタントの転職先ごとの特徴は?
前項で、ITコンサルタントのキャリアパスのひとつとして転職を目指すパターンもあることを紹介しました。ここではITコンサルタントの転職先について解説します。
コンサルティングファーム
コンサルティングファームには、総合系、戦略系、財務系、シンクタンク系など多くの分野があります。
自分の能力やスキルに合った職場に転職できれば、高いパフォーマンスが発揮できます。年収アップも期待できるでしょう。
事業会社
事業会社とは、いわゆる一般的な企業のことです。近年は、ITコンサルタントの資格保有者を重宝している企業も増えてきました。専門的な領域や特定の分野だけでなく、ビジネスに関する幅広い知識が得られるのが大きなメリットです。
経営や事業の根幹となるプロジェクトでシステム導入が必要になった際は、経営層と業務できる機会も得られるでしょう。
外資系企業
語学力を活かして活躍したい方には、外資系企業もおすすめです。日本の企業とは風土や待遇で異なる面がたくさんあり、刺激を受ける方も多くいます。
特に、日本の企業でよく見られる年功序列や終身雇用の制度がない企業が多くあります。自由な働き方を求めている方にも向いているといえるでしょう。
年代別にみるITコンサルタントの市場価値
ITコンサルタントの市場価値は、20代・30代・40代と年代によって差があります。
各年代によって期待される能力・平均年収などを紹介しますので、今後のキャリアパスの参考にしてみてください。
20代|ポテンシャルが評価されやすい
20代のITコンサルタントの平均年収は400万円程度です。20代はまだ実務経験が少ないため、年収にあまり差は出ません。
ITコンサルタントとしての実務経験や知識などが十分ではないケースが多いため、実績のアピールが難しい年代です。ただしITコンサルタントとしての基本的なスキルが身に付いていれば、経験がなくてもポテンシャルが評価される可能性があります。
市場で期待される能力は、論理的思考力・書類作成能力・提案力・プレゼン力・コミュニケーション力などです。
30代|もっとも需要がある年代
30代のITコンサルタントの平均年収は600万円前後です。豊富な実務経験があれば、より高い年収を得られます。
ITコンサルタントで、もっとも需要がある年代です。実務経験を積んで、ITコンサルタントとして必要なスキルや知見を身に付けていると評価されやすくなります。
IT技術・ビジネススキル、なにより実務経験が、評価の対象です。例えば、プロジェクトマネジメントやリーダーの経験、グローバルなプロジェクトへの参加経験などは、高く評価されます。
40代|マネジメントスキルが期待される
40代のITコンサルタントの平均年収は800万円程度です。マネジメント経験などリーダーシップにつながる実務経験が豊富にあると、より高く評価される傾向にあります。
40代になると、マネージャーやその候補といったリーダーシップ能力を期待されます。その企業の経営戦略を踏まえて業務計画を立てる能力や、チームを率いる責任感が求められるでしょう。
ITコンサルタントとして理想のキャリアパスを描くための3ステップ
ITコンサルタントとして理想のキャリアパスを描くためにも、キャリア設計のポイントを押さえておきましょう。
下記の3ステップで取り組んでいくのがおすすめです。
・ステップ1 | 理想の将来像を明確にする
・ステップ2 | 必要なスキルを洗い出す
・ステップ3 | 具体的な期限を設ける
各ステップのポイントを紹介します。
ステップ1 | 理想の将来像を明確にする
理想のキャリアパスを描くために、まずやるべきなのが、理想の将来像を明確にすることです。「何年後にどのようなポジションにいたいのか」「どういう分野でどのように活躍したいのか」を、具体的にイメージしましょう。
ステップ2 | 必要なスキルを洗い出す
理想の将来像を具体的にイメージできたら、その将来像を実現するために身に付けるべきスキルを洗い出します。資格や専門知識・コミュニケーション能力など、現在の自分に足りないものを分析してみましょう。
ステップ3 | 具体的な期限を設ける
理想の将来像を実現するために必要なスキルについて、「いつまでに身に付けるのか」具体的な期限を決めましょう。「いずれ身に付けたい」と考えているだけでは、なかなか実行できずに、後手に回ってしまいます。
理想のキャリアパスを実現するために必要なスキル
ITコンサルタントとしてキャリアアップする場合も、転職や独立を考える場合も、必要なスキルを身に付けていなければ実現は困難です。
ここからは、ITコンサルタントに求められるスキルについて解説します。改めて、自分に専門的なスキルが備わっているかを見つめ直してみましょう。
IT全般に関するスキル
IT全般について、幅広い知識とスキルが必須です。プログラミングスキルはもちろん、要件定義や設計開発といったシステムに関する知識です。
また、ITスキルの習得に関しては、常に学ぶ姿勢をもつことが大切です。IT業界は目まぐるしく変化する業界なので、トレンドを収集し続ける必要があります。
論理的思考力
課題に対して、効果的で具体的な解決策を導き出すことがITコンサルタントの役割。クライアントの課題を洗い出したり、整理したりするためには論理的思考力が重要です。
普段からロジックを組み立てて考えを整理する習慣をつけ、論理的思考を身につけておきましょう。
マネジメントスキル
ITコンサルタントは、複数のメンバーとチームで働くこともあるので、マネジメントスキルが必要です。個々のスキルや予算、納期などを考慮しながら、プロジェクトをスムーズに進めていくことが求められます。
人員配置、スケジュール管理、予実管理、品質管理もすべてマネジメントスキルに含まれます。
プレゼンテーション能力
クライアントに提案を了承してもらうには、高いプレゼン能力が必須です。提案の仕方、質問に対する答え方などを工夫して、説得力をもたせなければなりません。
そのためには、クライアントの立場を考慮したコミュニケーションスキルも重要です。クライアントが外国人の場合は、英語スキルが必要になることもあるでしょう。ビジネスシーンでよく使われる英語は習得しておくことをおすすめします。
ITコンサルタントがキャリアアップに活かせる資格
ITコンサルタントは、その資格だけでも転職やキャリアアップに役立ちますが、合わせてほかの資格を持っていると、さらに有利になります。
ここではITコンサルタントがもっておくと有利になりやすい資格を紹介します。
中小企業診断士
中小企業診断士は、ビジネスマンに人気の国家資格です。この資格を持っていると、中小企業が抱える経営課題解決のプロフェッショナルとみなされます。
ITコンサルタントとあわせて、企業の課題をITの視点から解決に導くコンサルタントとして活躍できます。
IELTS
ITコンサルタントは、外資系のコンサルファームの方々を相手にすることもあります。例えば、外資系企業だと公用語が英語であることも多く、英語が使えると重宝されることが多くあります。
世界的にもよく知られているIELTSに挑戦して、英語力の高さをアピールしましょう。
ITストラテジスト
ITストラテジストは、IPAが実施する情報処理技術者試験の最難関資格です。IT技術を駆使して、事業改革を進めることができる人材とみなされます。ITコンサルタントと合わせて取得すれば、ITのエキスパートとして一目置かれるでしょう。
プロジェクトマネージャ(P2M)
プロジェクトマネージャは、プロジェクトの責任者として、十分な知見やスキルを有していることを証明する資格です。
チームで働くこともあるITコンサルタントとしては、もっておいて損はありません。
PMP(Project Management Professional)
PMPは、プロジェクトマネージャ同様、プロジェクト管理者としての知見やスキルを証明する資格です。アメリカのPMIが認定している資格なので、海外でも通用します。外資系企業への転職を目指す方におすすめです。
まとめ
ITコンサルタントを取得すれば、企業内での出世や転職、独立などさまざまなキャリアパスを描けます。キャリアチェンジしたい、独立したいなど、自分がどの道に進みたいのかをじっくり考えてみましょう。
ITコンサルタントからの転職や独立を考えるなら、ぜひセルプロモートへご相談ください。
前述の通り、独立支援も可能です。今後のキャリアにお悩みの方はぜひお気軽にご相談ください。