目次
エンジニアが独立を考えるきっかけ
まずはなぜエンジニアが独立を考えるのか、そのきっかけを見ていきましょう。
現状の待遇や年収に不満がある
エンジニアが独立を考えるきっかけのひとつが「境遇や年収に対する不満」です。
一般的にエンジニアは収入が高いイメージをもたれやすいものの、下請けや孫請けの企業にいる場合は、収入が低い傾向にあります。
また、企業によっては年功序列型を基準とした評価制度を取り入れているところもあるため、スキルに見合った収入を得るのが難しいケースもあります。
フリーランスであれば、自分のスキル次第で高収入を得ることができます。そのため、会社の待遇や年収に不満がある場合は、高年収が狙えるフリーランスに魅力を感じる方が多いです。
もっとやりがいのある仕事がしたい
今以上に「やりがいのある仕事をしたい」と思うことも、エンジニアが独立を考えるきっかけです。会社に勤めている場合、決められた範囲内でしか仕事ができないことも多いです。自分がやりたい案件と、実際に携わる案件がマッチしないことは珍しくありません。
一方、フリーランスであれば、自分で仕事を選ぶことができます。そのため、「上流工程の仕事に携わりたい」「自分のスキルを活かせる仕事をしたい」と考えている場合は、フリーランスに魅力を感じるのではないでしょうか。
もっと自由に働きたい
フリーランスは、「自由な働き方」が実現できます。会社勤めだと就業時間や勤務場所が決まっているため、自分のペースで仕事を進めるのは難しいものです。
一方、フリーランスの場合、自分で働く時間や場所を決められるため、効率的に働きたいと思う人にとっては魅力的です。
また、子育てや介護をしながら仕事をすることもできるため、さまざまなライフスタイルが実現できるのも、フリーランスエンジニアの魅力のひとつです。
エンジニアが独立するメリット
エンジニアが独立して成功するためには、独立するメリットとデメリットを把握しておかなければいけません。エンジニアが独立するメリットとして、代表的なものは次の3つです。
収入アップが目指せる
エンジニアが独立する大きなメリットとして「収入アップが目指せる」ことがあります。会社に勤めている場合には、毎月決まった給料が支給されるため、大幅に収入が増えることはありません。
一方、フリーランスでは、自分の裁量次第で大きく収入を増やすことが可能です。
それでは、会社員とフリーランスエンジニアでは、どれだけ収入が異なるのでしょうか。厚生労働省の調査によると、会社員エンジニアの平均年収は500万円から600万円程度となります。
出典:「令和元年賃金構造基本統計調査 職種別所定内給与額及び年間賞与額」(厚生労働省)
一方、フリーランスエンジニアの平均年収は、800万円から900万円程度といわれています。
このように、一般的に会社員よりもフリーランスのほうが、エンジニアの収入は多くなっています。
仕事内容や量、働く時間や場所を自由に選べる
フリーランスの魅力的なメリットとして「自分の裁量で働ける」ことがあります。
仕事内容や案件の量を、自分の裁量で自由に選ぶことができます。どのような案件を受けるか、ある程度自分で決めることができるので、希望どおりの仕事をすることが可能です。
また、自分のすきな時間帯や場所で仕事ができるので、自分に合った環境で仕事ができます。
そのほか、フリーランスなら一緒に仕事する相手も自分で決められます。会社員のときと比べて、人間関係のストレスが少なくなることも魅力のひとつです。
仕事に関係する出費は経費に計上できる
フリーランスなら、「節税対策」。会社員の場合は、給料に対して決められた税金が天引き(源泉徴収)されます。原則、会社員が経費を計上して、節税をすることはできません。
一方、フリーランスでは、仕事にかかわる費用は経費に計上できるため、節税対策をすることができます。
例えば、仕事で使うPCや周辺機器の購入費、インターネット通信費や交通費、取引先との飲食代などの接待交際費が経費にできます。
エンジニアが独立するデメリット
次に、エンジニアが独立するデメリットを見ていきましょう。
収入が不安定になる
エンジニアが独立するデメリットに、「収入の不安定さ」があります。フリーランスの場合、独立前よりも収入アップが望めますが、会社員のように毎月一定の収入はありません。
特に独立したばかりは受注できる案件数に波があったり、リピーターを得ることがなかなかできなかったりして、収入が不安定になりがちです。万が一、案件が受注できなければ、無収入になってしまいます。
収入が少ない月のために、収入が多い月は貯金をしておくなど、常に資金繰りをしっかりとしておくことが大切です。
自分ですべて責任をとらなければならない
フリーランスの仕事は、常に「責任」がつきまといます。会社員の場合は、仕事の責任は最終的に会社になるものの、フリーランスは個人で責任をとる必要があります。
案件で失敗したときやトラブルが発生したときも、すべて自分で対応しなければいけません。
また、進捗管理なども自分で行う必要があるので、スケジュール管理能力が求められます。
雑務が増える
フリーランスエンジニアは、会社員のようにエンジニアの仕事だけをしておけば良いわけではありません。仕事を得るための営業活動や、確定申告をするための経理作業など、本業以外の業務も自分で行う必要があります。
営業活動や経理作業に慣れていないと、それらにかける時間が増え、仕事の時間やプライベートの時間が減ることもあります。
独立で成功しやすいエンジニアの特徴
エンジニアとして独立するには、一定のリスクを伴います。独立を検討しているのであれば、自分がエンジニアとして活躍できそうか考えることが重要です。
自身が有しているスキルや強みを振り返ってみて、独立が最適な選択かどうか検討してみてください。
エンジニアとしての技術に自信がある
当然ながら、エンジニアが独立して成功するためには「技術力」が必要です。独立して自分で仕事を得る以上、クライアントからは即戦力として働けることが求められます。そのため、要求に応えられるだけの高いスキルや経験が欠かせません。
独立を目指すためには、日頃からスキルの習得に努めて、技術力を磨いていきましょう。
汎用性の高い技術なら需要も多いため、安定的に案件を獲得できるようになります。
それとあわせて高度な技術があればなお良いでしょう。高度な技術を身に付けているエンジニアは少ないため、優良案件の獲得につながります。スキルが高いほど獲得できる案件の単価も高くなり、収入アップが見込めるでしょう。
また、IT業界は移り変わりが激しいため、トレンドに応じたスキルを身に付けることも重要です。今後需要が見込まれるスキルをもっていれば、どの企業からも重宝される人材となるでしょう。
営業・交渉の経験がある/得意である
フリーランスは会社員のように仕事を与えられることはなく、自分で案件を獲得する必要があります。そこで必要なのが「営業力・交渉力」のスキルです。相手先に自分の魅力を伝え、案件獲得につなげていきます。
会社ではエンジニアの仕事がメインとなるため、営業力や交渉力をつける機会が少ないです。完全に独立する前に、副業などで営業の練習をしておくと良いでしょう。
顧客折衝のスキルが高い
クライアントとの折衝スキルも非常に重要です。素早い報連相や適切な提案など、円滑なコミュニケーションによって信頼関係を築けるかどうかが案件の継続率に影響します。
「即レス」「即対応」をしっかりと意識したコミュニケーションを取れるエンジニアであれば、クライアントは安心できるでしょう。
経理業務が担える
独立すれば、毎月の請求書発行や経費のまとめ作業なども行わなければなりません。帳簿への記帳や確定申告書の作成などもすべて自分で行います。そのため、簿記や経理の知識が必要です。
技術力や営業力に問題がなくても、経理業務ができないことで失敗するフリーランスエンジニアは多いため注意しましょう。
経理業務に不安がある場合は、お住まいの税務署や税理士に相談してみるのもおすすめです。
マルチタスクが得意/柔軟な対応力がある
あらゆる事務作業や営業、顧客対応は、エンジニアの仕事と並行して行うことになります。独立をすれば、マルチタスクが基本です。
そのため、常に何を優先すべきか考えながら行動する必要があります。柔軟な対応力が求められる場面が多いことを理解しておきましょう。
自己管理能力がある
体調管理やメンタル管理などの自己管理が得意な方はフリーランスとして活躍しやすいでしょう。
独立すると、獲得した案件数や単価によって収入が決まります。当たり前ですが、有給や傷病手当などは受け取れません。そのため、体調を崩すと無収入になるリスクがあります。
安定して収入を得るには、健康に支障が出ない範囲での業務量、スケジュールを調整するスキルが求められます。
エンジニアが独立するのにベストなタイミングとは
自分ひとりで生計が立てられるスキルを身に付けたときが、エンジニアとして独立するのにベストなタイミングです。
人によって独立するタイミングが異なりますが、次のタイミングを目安にしてみるのが良いでしょう。
・少なくとも1年以上の経験を積み、相応のスキルが身に付いている
・独立後に仕事がなくても、しばらく(半年程度)持ちこたえられるだけの資金ができている
・副業を経験したり、人脈ができたりして、案件を獲得できる目処ができた
エンジニアが独立するために必要な準備
独立を考えている方は、独立する前に以下の準備を整えましょう。
案件の獲得経路を確保しておく
独立後に安定した収入を得るには案件の獲得経路を確保しておくことが重要です。案件の獲得経路がはっきりしないまま独立してしまうと、収入が不安定になり、フリーランスとして続けていくのが難しくなってしまいます。
そして、フリーランスの案件獲得経路でもっとも多いのは人脈からの獲得です。
「フリーランス白書2023」の調査によると、最も収入が得られる仕事の獲得経路として「人脈(知人の紹介・過去、現在の取引先)」と答えた方は全体の67.1%でした。
そのため、独立前に友人などに声をかけておくのがおすすめです。不安な場合には、フリーランスエージェントを活用しましょう。
預貯金を確保しておく
万が一のことも考えて預貯金を確保しておきましょう。
フリーランスとして軌道に乗るまでは貯金で生活することになりますが、生活資金が足りず断念する方は多くいます。
おおむね半年から1年程度生活できるだけの預貯金があれば安心です。
開業届を作成する
フリーランスとして独立したら、税務署に開業届を提出しなければなりません。提出期限は原則として開業後1ヶ月以内と定められています。
比較的簡単な書類ですが、独立後だと忙しくなることが多いため、事前に作成しておくのが望ましいです。
開業届についての詳細は国税庁のリンクをご覧ください。
「国税庁 A1-5 個人事業の開業届出・廃業届出等手続」
まとめ
エンジニアが独立してフリーランスになれば、収入アップが見込めるなど、多くのメリットがあります。しかし、本当に独立して、生活ができるのか不安な方も多いでしょう。そんな時は、フリーランスエージェントの利用を考えましょう。
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