【エンジニア】フリーランス転向の現実は甘くない!理由を解説

フリーランスへ転向を考えているエンジニアの中には、「現実は甘くない」と転向に不安を抱いている人も多いでしょう。実際にフリーランスで働くと、どのような問題があるか、メリットとデメリットを知っておく必要があります。そこで今回は、フリーランスエンジニアの現実が甘くないといわれる理由と転向のメリット、後悔しないためのポイントを紹介します。


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フリーランスエンジニアの現実が甘くない5つの理由


フリーランスエンジニアの現実は、厳しいイメージがあり、どのようなものか気になる方も多いでしょう。この項目では、フリーランスエンジニアの「現実が甘くない」といわれる理由を解説します。

収入が不安定になる

フリーランスは案件に応じて報酬が異なるため、収入は不安定になるでしょう。また、会社に所属していないので、収入を保証してくれる母体がありません。会社員であれば給料が支払われますが、フリーランスは仕事がなければ収入もなくなります。

駆け出しでまだ信用が無かったり、実績不足だったりすると案件が獲得できないかもしれません。営業活動がうまくいかず案件の受注が円滑に進まないと、生活が困窮するおそれがあるのです。

内閣官房から発表された「令和4年度フリーランス実態調査結果」から、フリーランスの所得分布で一番割合が多いのは年収(※)100万円未満(14.1%)であることがわかりました。

また、同調査結果では年収400万円未満の人が52%と半数以上を占めており、年収400万円以上を得ている人は31.4%(回答なし:16.4%)であることから、フリーランスで収入を得ることの難しさを伺えます。

フリーランスの契約形態は、業務委託契約になるのが一般的です。そのため、正規雇用の会社員などとは異なり、業績悪化や不景気になったときに業務量を減らされたり契約を打ち切られたりすることが多い傾向にあります。

このようなことが起これば一気に所得が減少するため、フリーランスは安定した収入を得続けるのが難しいのです。

参照:「令和4年度フリーランス実態調査結果」(内閣官房)

※売上高から必要経費などを差し引いた所得額(社会保険料・税金は差し引く前)

社会的信用が低い

会社員は企業に所属しているので、社会的信用があります。しかし、フリーランスは一個人であり会社という後ろ盾はありません。収入が不安定でいつ何が起こるか分からないリスクが高く、社会的信用が得られないことが多いです。

社会的信用が低いと、金融機関や住宅ローンの審査に通りにくいデメリットがあります。クレジットカードの発行や賃貸マンションの入居審査など、審査時に社会的信用が重要視されるものは困難になるでしょう。

高度なスキルや実績が求められる

近年、社内DXや業務効率化、新事業の立ち上げなどを進める際は、プロフェッショナルな人材に業務委託する企業が増加しています。

そのため、フリーランスエンジニアが高単価な案件を獲得するには、DX推進スキルやIoT・AI技術などの高度なスキルや実績が必要です。

また、最近はプログラミングを学べる機会が増えています。それと比例して、基礎的なプログラミングスキルをもつ人材が溢れているため、買い手市場となっています。

フリーランスは企業が実施する教育や研修を受けられません。自ら継続的に学び、より高い技能を身に付けていかなければ、案件獲得が難しくなっていきます。

事務処理や営業活動などの煩雑な業務が増える

フリーランスは会社員時代にはなかったような、予算の見積もりや事務処理など、細かい業務をすべて自分で行う必要があります。

会社の経理に任せていた確定申告も自分自身で行わなければなりません。労力と時間がかかり、税法上の知識を学ぶ必要もあるでしょう。

また、フリーランスは自分で案件を獲得しなくてはならないので、営業活動にも時間を取られます。

トラブル時に自己責任になりやすい

会社員の場合、何らかのトラブルが発生した際には会社や上司がサポートしてくれます。しかし、そのような後ろ盾がないフリーランスは、すべて自己責任で対応することが必要です。

内容によっては取引先の信頼と仕事を失い、収入が下がることも考えられます。また、賠償問題に発展した場合も、すべての責任と支払いを自分で負担することになります。

フリーランスエンジニアになるメリットは?

これまではフリーランスエンジニアの厳しい現実について紹介してきました。ただし、フリーランスエンジニアの現実はデメリットだけではありません。ここからは、フリーランスエンジニアになるメリットを紹介します。

案件を取捨選択できる

単価が低すぎる案件は断る、希望に合った稼働日数の条件を選ぶなど、案件の取捨選択ができるのはフリーランスエンジニアのメリットでしょう。

得意なスキルを使う案件だけを請け負って、面倒な案件や苦手な案件は受注しなくても構いません。仕事量にも制限されず、自分に合った働き方ができるのがポイントです。

収入アップを目指せる

フリーランスエンジニアは働いた分が収入に直結するので、収入に上限はありません。数多くの案件をこなせば、それだけ収入は増えるでしょう。

始めは経験やスキル不足で、案件の獲得は難しいかもしれません。しかし、スキルアップして実績を積めば、高単価な案件を継続的に受注することが見込めます。

働き方の自由度が高い

働き方の自由度の高さも、フリーランスエンジニアの特徴です。それでは具体的にどのような点で自由度が高いのか解説していきます。

働く場所や時間を選べる

時間や場所を気にせず、フレキシブルに働けるメリットがあります。

リモート型であれば午前中から夕方までの業務時間にとらわれず、外出先や自宅でも仕事を進められるのです。最近では完全リモート、一部のみ出社といったリモートワークが可能な案件も増えています。

スケジュール管理を自分で行う必要はありますが、自分のペースで仕事を進めたい人に向いているといえます。

ワークライフバランスを取りやすい

働く場所や時間、仕事量にとらわれないことから、ワークライフバランスが取りやすいでしょう。ワークライフバランスとは、自分の時間を仕事とそれ以外でどのような割合で分けるかのバランスを指します。

子育てや介護など、それぞれの事情に合わせて仕事ができます。仕事量もコントロールできて心身の健康が維持され、資格取得やスキルアップの学習をする時間の確保も可能です。融通の利きやすさは、働く側にとって魅力的なメリットになります。

人間関係の悩みが減る

フリーランスには特定の上司や同僚がいないので、パワハラやセクハラをはじめとする人間関係のトラブルが起こりにくい傾向にあります。また、社内の飲み会やイベントに参加する必要もないので、より自分に合ったライフスタイルを実現できます。

定年後も働き続けられる

厚生労働省発表の「令和4年就労条件総合調査」によると、国内企業の94.4%が定年制を定めています。

そのため、会社員の多くは一定の年齢になると、定年退職しなくてはなりません。再雇用制度によって働き続けられるケースもありますが、定年退職前よりも給与が下がることがほとんどです。

一方、フリーランスには定年退職がなく、健康であれば老後も働き続けられるので、生涯年収を上げることにつながります。

出典:「令和4年就労条件総合調査(定年制等)」(厚生労働省)

フリーランス転向を後悔しないためのポイント

フリーランスエンジニアの現実や、メリット・デメリットを知って事前に準備しておけば、フリーランスに転向しても後悔しないでしょう。ここでは、フリーランスへ転向後に後悔しないための押さえておくべきポイントを紹介します。

十分なスキルや経験を積んでおく

スキルや実務経験、実績が揃って初めてフリーランスエンジニアは成り立ちます。例えば、システムエンジニア、プロジェクトマネージャー、プロジェクトリーダーとして5年以上会社員として勤めていたり、過去に高単価の案件をこなしていたりなどの実績が必要です。

実務経験が乏しく、持っているスキルも少ないと案件を獲得するのは難しいでしょう。実際に実績不足で仕事がない人も多くいるため、スキルや経験を積んでからフリーランスエンジニアに転向することをおすすめします。

エージェントに相談する

エージェントを利用すれば、継続的に案件を獲得しやすくなります。高単価の案件や福利厚生を用意していたりキャリア相談をしてくれたりと、フォローが充実しているエージェントも多いです。

いきなりフリーランスで独立するよりも、エージェントに相談すれば安心して働き始められるでしょう。

フリーランスになることに興味はあるものの、不安を抱えているならぜひ「セルプロフリーランス」をご利用ください。専属の営業スタッフによる営業サポートや、事業の売上を保証する最大1年間の収入保証サポートが受けられます。

まとめ

フリーランス転向の現実が甘くないのは、収入が不安定で幅広いスキルと営業力が必要なためです。また、社会的信用も低くなり、確定申告や事務処理を自分で行わなければなりません。

一方、好みの案件を受けられる、収入が上がる、働き方の自由度が高いなどのメリットがあります。ワークライフバランスが取りやすいのもフリーランスエンジニアの特徴です。

フリーランス転向後に後悔しないように、メリットとデメリットを比較検討して十分な経験とスキルを積んでおきましょう。フリーランスとして安心して働き始めるために、エージェントに相談するのもひとつの方法です。