フリーランスエンジニアの経費率と経費計上できるものを紹介

フリーランスエンジニアは、業務に関係する費用を経費計上できます。しかし、どの範囲まで経費計上できるのかがわからず、困っている人もいるのではないでしょうか。 そこで、フリーランスエンジニアの経費率の目安や、経費計上できる費用などについて解説します。


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フリーランスエンジニアの経費率の目安とは

経費率とは、収益に対する経費の割合のことです。計算方法は簡単で、「経費÷収入」で算出します。

一般的にフリーランスエンジニアの経費率は50%程度といわれていますが、この数値はあくまで目安です。国税庁などの公的機関によって明確に定められているわけではありません。

経費率が高すぎる場合は注意が必要

「フリーランスエンジニアの経費率は50%」と決まっているわけではありませんが、目安から極端に外れていると、経費計上で不正があるのではないかと疑われます。場合によっては、税務調査が入ることもあります。

悪質と判断された場合はペナルティや罰則が科される可能性もあるため、経費は業務上かかった費用のみを、正確に計上することが大切です。

フリーランスエンジニアが経費計上できるものリスト

エンジニアに限らず、フリーランスは仕事とプライベートが混ざりがちです。「どこまで経費計上できるのか」と悩む人もいるのではないでしょうか。そこで、フリーランスエンジニアが経費計上できる主な費用について解説します。

家賃や光熱費

フリーランスエンジニアが事務所として使用している場所の家賃と水道光熱費は、経費計上できます。ただし、家賃が20万円を超える物件の場合は、資産扱いになるので注意しましょう。

自宅兼事務所として使用している場合は、業務で使用するスペースや日数で家事按分(※)して計上します。

※家事按分:費用の総額のうち、業務でかかった費用を合理的な基準で算出すること

通信費

インターネット代や携帯電話代、固定電話代などの通信費も、経費計上できます。書類を送ることで発生した郵送費も、通信費として計上できます。

インターネットや電話を業務とプライベートで兼用している場合は、家事按分が必要です。

消耗品費

業務で使用する消耗品の費用も経費計上できます。消耗品とは、デスクやいす、プリンターのインク、コピー用紙・文房具といった、使用期間が1年未満かつ金額が10万円未満のものです。PCやプリンターなどの備品も、10万円未満のものなら消耗品として計上できます。

交通費・旅費

取引先まで出向いたり出張に行ったりと、業務上必要な移動・旅行にかかわる費用は、旅費交通費として経費計上できます。

自家用車を業務でも使用している場合は、駐車場代やガソリン代などを家事按分して計上できます。

新聞図書費

新しい技術・知識を習得するために書籍を買った、新聞を取り寄せたといった場合は、新聞図書費として経費計上できます。

IT関連のサイトや有料メルマガなど、業務に必要なサービスの登録料や図書カードなども対象です。

減価償却費

10万円を超えるものを買った費用は、減価償却費として耐用年数に応じて分割で経費計上します。ただし、20万円未満のものであれば、一括償却資産として3年で減価償却することができます。

青色申告をしていて所定の要件を満たした人なら、30万円未満のものであれば少額減価償却資産として一括で計上できます。

広告宣伝費

自分を売り込むためのサイトを作った、名刺を作成したといった場合も、かかった費用を経費計上できます。取引先に送る暑中見舞いや年賀状なども対象です。

租税公課

個人事業税、固定資産税、自動車税など業務に関係するものにかかる税金も、租税公課として経費計上できます。ただし、公的な契約書類の提出を求められることがあるため、税金関係の書類はしっかり保管しておきましょう。

フリーランスエンジニアが経費計上するときの注意点

フリーランスエンジニアが経費計上するにあたり、いくつか注意したいことがあります。知らないと損をしたり、ペナルティを科せられたりする可能性があるので、しっかり把握しておきましょう。

条件によって経費計上できるものもある

引越し費用やスーツ代、飲食代などは、経費計上できるケースとできないケースがあります。

・引越し費用:事務所のみ引っ越す場合は、引越し代や仲介手数料などの費用を経費計上できる。敷金は退去時に戻る可能性があるため経費計上不可

・スーツ代:取引先に出向くときのみ着用するなど、業務用のスーツと証明できる場合は経費計上できる

・飲食代:取引先との会食や情報交換のための食事会など、業務に関係する飲食代は経費計上できる。常駐エンジニアで残業のために食事をした、カフェで仕事をしたなどの場合も経費計上できる

経費計上できないものを把握しておく

正確に経費計上できるように、経費計上不可の費用についても把握しておきましょう。たとえば、プライベートでの食事代やプレゼント代など、業務にかかわりのない費用は経費計上できません。健康診断にかかった費用や、所得税・住民税などの税金も経費計上不可です。

領収書は7年間保管する必要がある

エンジニアに限らず、フリーランスが経費計上するには領収書を保管しておく必要があります。レシートでも問題ありません。保管期間は青色申告の場合が7年間、白色申告の場合が5年間です。

なお、電子取引(※)での領収書については、2022年1月1日に施行された「改正電子帳簿保存法」により、電子データ保存することが義務づけられました。これまでのような紙での保存は認められません。

2023年12月末までの電子取引については、従来どおり紙で保存することも認められていますが、それ以降は電子データ保存に切り替える必要があります。

※電子取引:請求書や領収書を、紙ではなくメールやクラウドサービスなどの電子データでやり取りすること

収益管理を徹底する

フリーランスエンジニアとして働くなら、経費はもちろん、収益の管理も徹底しましょう。収益は漏らさずに記録する義務があり、正しく記録されていないと所得税の過少申告として扱われます。

ミスであってもペナルティの対象となる可能性があるため、すべての取引を正確に記録することが大切です。

なお、故意に過少申告するのは犯罪であり、重加算税などの罰則や懲役もしくは罰金の対象になるので、絶対にしてはいけません。

経費については帳簿への記載義務はありませんが、経費をきちんと記録しないと所得額が増え、税金や保険料が高くなってしまいます。領収書をきちんと保管し、経費についても正確に記録するようにしましょう。

判断に迷うなら専門家のアドバイスを受ける

フリーランスエンジニアとして独立してすぐは、経費計上や税金の扱いなどについて迷ったり困ったりすることがあるでしょう。

そんなときは、自己判断せずに専門家のアドバイスを受けるのが賢明です。簡単に確定申告ができるツールを利用したり、税理士に依頼したりするのも良いです。

そこで、フリーランスエンジニアの税務や営業のサポートや、収入保障が受けられるセルプロフリーランスを利用してみてはいかがでしょうか。

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まとめ

フリーランスエンジニアは、ほかの業種のフリーランスと同様に、家賃や光熱費、通信費など、業務にかかった費用を経費計上できます。引越し費用やスーツ代、飲食代なども、条件によっては経費計上できます。

経費率に定めはありませんが、目安は50%程度とされており、目安から大きく外れると税務調査の対象になることがあるので注意しましょう。

経費計上や確定申告に誤りがあると、税金が高くなったり何らかのペナルティの対象になったりする可能性があります。自信がない場合は、専門家のアドバイスを受けたり、サポートサービスを利用したりするのがおすすめです。