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エンジニアが記載するスキルシートとは
スキルシートは、主にエンジニア(技術職)が企業やクライアントに対して、自身のこれまでのキャリアや保有スキルを証明するための書類です。履歴書や職務経歴書と同様に、応募書類のひとつとして提出を求められるケースがあります。
スキルシートで記載する内容は職務経歴書と大きく変わりはありませんが、スキルや経験を示すという点に重きを置いています。
「フリーランスエンジニア必見!職務経歴書を上手く書く秘訣とは」
なぜエンジニアはスキルシートが重要なのか?
スキルシートは応募書類のひとつであり、エンジニアにとって非常に重要な書類です。ここでは、スキルシートの重要性について詳しく解説します。
スキルシートの内容によって年収が決まるため
企業はスキルシートに記載された実績や経歴をもとに応募者の実力を見極めます。いくら実力があっても、スキルシートの書き方を誤ると、自分のスキルをアピールできません。スキルシートは、年収や案件単価に関わる大切な要素です。
そのため、スキルシートは企業がどのような人材を求めているのかを予測したうえで作成することが大切です。応募先企業に関連性のないスキルや実績をアピールしても意味がありません。
企業側目線でスキルシートを作成している応募者の評価は非常に高く、高待遇にもつながります。スキルシートを作成する前に応募先企業の情報を集め、どんなスキルをアピールすれば高評価につながるのかを考えてみてください。
企業側とのミスマッチを防ぐため
スキルシートに限りませんが、応募書類は契約後のミスマッチを防ぐ判断材料です。企業側は応募者のスキルや経験を見て、自社が欲している人材かを判断します。
「事前に聞いていたレベルではない」「仕事が任せられない」など、企業と応募者の間でミスマッチが起これば、企業側としてもマイナスになります。
ミスマッチが起こらないためにも、エンジニア側は自身の「できること」「できないこと」をきちんと伝えることが大切です。
エンジニアの転職・案件獲得を有利にするスキルシートの書き方
ここではエンジニアの転職・案件獲得を有利にするスキルシートの具体的な記載事項を解説します。
1.基本情報
まずは、名前・生年月日・住所・連絡先・学歴・職務要約などの基本情報を埋めましょう。職務要約には、これまでの所属先と期間を記載します。
【職務要約の例】
・20XX年4月〜20XX年9月 株式会社〇〇 情報システム部
・20XX年10月〜現在 フリーランスとして活動中
2.参画したプロジェクト
続いて、これまでに参画したプロジェクトの案件名・期間・業務内容・開発環境・開発規模・役割・担当工程などを記載します。
開発環境の項目には使用したプログラミング言語やフレームワークなどを正式名称で記入しましょう。内容に抜け漏れがあると、クライアントとのミスマッチの原因になります。
役割の項目にはプロジェクト内でどのようなポジションに就いていたか、プロジェクトにどのように貢献したかなどを記述します。
3.活かせるスキル・知識・経験
この欄では、活かせるスキルや知識、経験を一目で把握できるように、要約して記載します。
応募先が提示している「人材要件」や「求めるスキル」に当てはまる内容を記述すると効果的です。
4.保有技術
保有技術の欄には、使用可能なプログラミング言語やフレームワークなどをまとめて記載します。
何らかの資格を取得している場合は資格名を正式名称で書いておきましょう。保有技術が少ない場合は、習得中の技術や言語を「勉強中」と記入するのもおすすめです。
5.自己PR
自己PR欄には、プロジェクト内で心がけていたことや強みなど、ここまでの項目からでは読み取れない内容を記載します。
自分を採用するメリットをしっかりアピールできれば、ほかの応募者との差別化も図れます。長文だと内容が伝わりにくいので、200〜400文字以内に収めましょう。
エンジニアがスキルシートを書く際の注意点・ポイント
スキルシートには決められたフォーマットがないとはいえ、書き方によってはマイナスな印象を与えかねないため注意が必要です。ここではエンジニアに向けた、スキルシートを書く際の注意点を5つ紹介します。
読みやすさを意識する
スキルシートを書くときには、流し読みでも理解できるように、読みやすさを意識することが大切です。用紙はA4サイズのものを使用し、2~3枚程度に収まるようにします。
「参画したプロジェクト」はできるだけ詳細に書いたほうが良いですが、長くなりすぎる場合は応募先と関わりが深そうなものだけに絞って記載しましょう。読みやすさに加えて読み手側の興味を惹く内容に仕上げることができます。
また、自己PR欄以外は言い切り表現や箇条書きを用いて、必要な情報のみを簡潔に記入します。認識違いを避けるため略語は使わず、使用可能言語や資格などは正式名称で記載しましょう。
客観的に読みやすさをチェックするために、完成したスキルシートを家族や友人などに読んでもらうのもおすすめです。
クライアント名や勤務先の情報を記載するときは気をつける
フリーランスエンジニアの場合、基本的に「業務委託契約」「請負契約」のどちらかで仕事をします。中には、守秘義務に関して契約を結ぶことがあり、クライアント名や勤務先の情報、業務で知り得た情報を開示するのは控えなくてはいけないケースがあります。
そのため、守秘義務を締結したクライアントとの業務をスキルシートに記載する場合、企業名の代わりに「大手金融機関」「外資系企業」という言葉に置き換えるなどの工夫が必要です。守秘義務を破ってしまうと、トラブルにつながるおそれもあり「信頼できない人」と思われることも考えられます。
これまでの具体的な実績数字を正確に記載する
実績を記載する際は、数字を用いて具体的に記載しましょう。例えば「売上を大幅にアップさせた」と記載しても、どのくらい売上がアップしたのか、企業側もイメージが湧きません。
そこで「売上を30%アップさせた」と記載すれば、具体性が増してイメージしやすくなります。
スキルシートは企業が応募者のスキルを測り、どのくらい自社に貢献できるのかを判断する材料です。多少面倒に感じても、数字を使用して説得力のあるスキルシートを作成しましょう。
キャリアの棚卸しをする
いきなりスキルシートを書き始め、筆が思うように進まなくて困っている方も多いでしょう。そういった方はスキルシートを書く前の準備として、キャリアの棚卸しをしてみてください。
・これまでどのようなプロジェクトに携わってきたか
・どのようなスキルを得たか
・どのような点を意識して仕事を進めたか
このように、過去の実績を洗い出しつつ、時系列で書き出してみましょう。
そうすることで自身のキャリアやスキルを整理でき、スムーズにスキルシートを作成できます。「ひとりでキャリアの棚卸しをするのが難しい」「スキルシートの作成をサポートして欲しい」といった方は、エージェントを活用するのもおすすめです。
セルプロフリーランスでは、フリーランスエンジニアの営業活動や税務などをサポートしています。無償のコーチングプランもあるため、自身の将来やキャリアプランを見つめ直す時間も確保できます。お気軽にお問合せください。
スキルシートの内容を定期的に更新する
スキルシートは一度作成して終わりではなく、定期的に内容を見直すことが大切です。そして、「新たにプロジェクトに参加した」「新たに資格を取得した」など、変化があった際には更新しましょう。
実績を重ねているにもかかわらず、情報が更新されていない古いスキルシートを使用していると、自身の魅力を十分にアピールできません。
また、スキルシートを定期的に見直すことで、より俯瞰して自身の経歴・スキルを見ることができ、アピールポイントをブラッシュアップできます。
第三者に見てもらう機会をつくる
作成したスキルシートは家族や友人などの第三者に見てもらいましょう。誤字脱字も含め、自分では気づかなかった改善点が見えてくる可能性があります。
身近に見てもらえる人がいない場合、エージェントのサポートを受けるのもおすすめです。プロの視点からアドバイスをもらえるうえ、より訴求力の高いスキルシートが作成できます。
まとめ
エンジニアにとって、スキルシートは自身のキャリアやスキルを証明するための大事な書類です。書き方を誤ると、自分の実力を十分にアピールできないほか、企業からマイナスな印象を持たれてしまうおそれがあります。
キャリアの棚卸しをして自己分析を入念に行い、情報に間違いのないよう作成しましょう。