フリーランス向けの給付金制度一覧!補助金・助成金もご紹介

社会人からフリーランスへ転向する際には初期費用が必要なため、ある程度の蓄えがなければスムーズに活動を開始することができません。しかし、独立・開業を考えている方の中には、貯蓄が不安という方も多くいるのではないでしょうか。 そんなときに利用できるのが「給付金」です。今回は、フリーランス向けの給付金や補助金、助成金の制度についてご紹介します。


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フリーランスが活用できる給付金とは?

フリーランスとして活動を始める際には、多くの費用がかかります。例えば、パソコンや周辺機器の購入費用、ネット通信費用、会計ソフトなどの契約費用、机や椅子などのオフィス家具の購入費用、オフィススペースの契約料・利用料など…。

それを含めて、独立前には生活費3ヶ月程度の貯金が必要といわれています。

現在所有している資金が足りなければ、開業はできてもスムーズに活動を始めることができません。そこで、多くのフリーランスの方が独立前・独立後に給付金、または補助金や助成金などの制度を利用しています。

給付金、補助金、助成金は、国や地方自治体が事業者を支援する目的で給付する資金です。ここでは給付金の概要や、補助金・助成金との違いを解説します。

給付金は返済の義務がないのがメリット!

種類 内容
給付金 返済の義務がない。用途が決められていないものが多く原則自由に使用できるお金。
補助金 新規事業や新分野の製品開発などを行う企業に対してその費用の一部を補助するお金。
助成金 従業員の雇用の安定や職場環境の改善などを行うための取り組みにかる費用の一部を助成するお金。

給付金の制度は、定められた要件を満たせば利用できます。返済の義務がない上に、用途が決められていないものが多く、原則自由に使用できるお金です。

※2023年11月時点では、フリーランスが受け取れる給付金の制度は終了しています

それに対して、補助金は国の政策目標に沿った新規事業や新分野の製品開発などを行う企業に対してその費用の一部を補助するお金です。

また、助成金は従業員の雇用の安定や職場環境の改善などを行うための取り組みにかる費用の一部を助成して中小企業の働き方改革実施を支援するお金です。

補助金・助成金が主にビジネスを営む事業者を対象としているのに対し、給付金の多くは個人を対象としています。フリーランスの方にとっては嬉しい制度でしょう。

補助金・助成金の活用も視野に入れよう

補助金や助成金は給付金とは異なり、用途が定められていたり、投資額の何割かを補助するなどの条件が定められていたりします。

しかし給付金よりも種類が多く大きい額を受け取れるケースが多いため、設備投資や販路拡大に多額の資金を必要とする場合は、補助金や助成金の活用も積極的に検討しましょう。

【受付終了】フリーランスが活用できる給付金一覧

現在(2023年11月時点)では、フリーランスや個人事業主が受け取れる給付金の制度は終了していますが、直近までは「新型コロナウイルス感染症による小学校休業等対応支援金」や「持続化給付金」、「月次支援金」などがありました。

制度名 内容
新型コロナウイルス感染症による小学校休業等対応支援金 新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、学校が臨時休業となった場合に子どもが家庭内で学習する際にかかる負担を軽減するため支給される支援金。生活費や学習支援に充てることができた。
持続化給付金 新型コロナウイルス感染症の影響を受けた事業者や個人(フリーランスや個人事業者を含む)に対して支給される給付金の一つ。事業の継続支援を目的としており、新型コロナウイルスの感染拡大により困難な経済状況にある場合に利用できた。
月次支援金 持続化給付金と同様に、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い緊急事態措置・まん延防止等重点措置により、飲食店の休業・時短営業または外出自粛などの影響を受けている事業者を対象に、一定の範囲内で支給された。

2023年11月時点ではフリーランスが受け取れる給付金の制度は終了していますが、今後、給付金制度を利用されたい場合は、国や地方自治体の動向をチェックしておくことをおすすめします。

フリーランスが活用できる補助金一覧

ここでは、フリーランスの方が活用できる補助金の一例をご紹介します。

IT導入補助金

IT導入補助金は、中小企業や個人事業主が、様々な経営課題を解決するためにITツール導入を支援するための補助金です。

対象者 今後の社会変動に適応するためにITツールを導入する中小企業・小規模事業主
支援額(上限) 30万円~450万円(複数社連携除く)

ITツールを導入する事業によって通常枠(A・B類型)、デジタル化基盤導入類型・複数社連携IT導入類型、セキュリティ対策推進枠、商流一括インボイス対応類型に分かれており、それぞれ補助内容が異なります。

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小規模事業者持続化補助金

小規模事業者持続化補助金とは、働き方改革や被用者保険の適用拡大、賃金引上げ、インボイス導入などに直面する小規模事業者へ向けて、生産性向上と持続的発展を図ることを目的として支給される補助金です。

対象者 商工会議所/経営計画をもとに地道な販路開拓等に取り組む小規模事業者
支援額(上限) 50~200万

通常枠、賃金引き上げ枠、卒業枠、後継者支援枠、創業枠、インボイス枠の6つの枠に分類され、いずれか1つの枠のみ申請が可能となっています。

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ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金

ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金は、中小企業・小規模事業者等が今後複数年にわたり相次いで直面する制度変更(働き方改革や被用者保険の適用拡大、賃上げ、インボイス導入など)などに対応するための設備投資などを支援するための補助金です。

対象者 定められた業種・従業員数の中小企業・小規模事業者
支援額(上限) 750~3,000万

申請にあたっては、事前にGビズIDプライムアカウントの取得が必要となりますので、未取得の方は利用登録が必要です。

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フリーランスが活用できる助成金一覧

ここでは、フリーランスの方が活用できる助成金の一例をご紹介します。

業務改善助成金(特例コース)

業務改善補助金は、新型コロナウイルス感染症の影響によって比較対象期間の売上などが30%以上減少している中小企業事業者などを支援するための制度です。

生産性向上に必要な設備投資などを行うとともに、事業場(労働者が働く場所や拠点)内の最低賃金を一定額以上引き上げた場合、設備投資などにかかった費用の一部を助成するものです。

対象者 生産性向上を目的とした施設投資を行い、その費用を支払っている+最低賃金を30円以上引き上げ、かつ引き上げ後の賃金を支払っている小規模事業者
支援額(上限) 最大100万円

従業員を雇用していなければならないので、フリーランスの方の対象者は少ないかもしれませんね。

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人材開発支援助成金

人材開発支援助成金は、事業主等が雇用している労働者のスキルアップへの投資の一部を助成する制度です。

職務に関連した専門的な知識及び技能を習得させるための職業訓練等を計画に沿って実施した場合などに、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部などを助成するものです。

対象者 従業員のスキルアップ支援を行う
支援額(上限) コースや要件により変動

人材育成支援コース、教育訓練休暇等付与コース、人への投資促進コース、事業展開等リスキリング支援コースの4つのコースがあります。

コース名 対象者・助成内容
人材育成支援コース 雇用する被保険者に対して、職務に関連した知識・技能を習得させるための訓練、厚生労働大臣の認定を受けたOJT(On the Job Training)付き訓練、非正規雇用労働者を対象とした正社員化を目指す訓練を実施した場合に、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部を助成する。
教育訓練休暇等付与コース 有給教育訓練等制度を導入し、労働者が当該休暇を取得し、訓練を受けた場合に助成する。
人への投資促進コース デジタル人材・高度人材を育成する訓練、労働者が自発的に行う訓練、定額制訓練(サブスクリプション型)等を実施した場合に、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部等を助成する。
事業展開等リスキリング支援コース 新規事業の立ち上げなどの事業展開等に伴い、新たな分野で必要となる知識及び技能を習得させるための訓練を実施した場合に、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部を助成する。

業務改善助成金と同じく、従業員を雇用していなければならないので、フリーランスの対象者は少ないと思われます。

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まとめ

今回は、フリーランスが活用できる給付金や補助金、助成金について解説しました。給付金は返済の義務がない上に、用途が決められていないものが多いため、フリーランスにとっては活用しやすい制度でしょう。しかし、制度が少なく、2023年11月現在では利用できる給付金はありません。

一方、補助金や助成金は支給内容や条件が厳しいものの、多額の資金を得られる可能性があります。給付金と比べて定期的に更新されるため、前向きに利用を検討してみてはいかがでしょうか。