根っこは、人に対する興味。ITコンサルタントの真髄とは。

大学を卒業後、独立系の大手SIerで上流工程エンジニアとしてキャリアを築いた後、アジアトップクラスのコンサルティングファームでITコンサルタントとして活躍した実績を持つ竹腰さん。昨年11月、セルプロモートに転職しました。今回は竹腰さんにITコンサルタントの面白さややりがい、仕事で大切にされている信条などを聞きました。

「板挟み」も、目線を変えると「頼られている」ことの証左。

──セルプロモートに入社した経緯やきっかけを教えてください。

きっかけは、当社の顧問からの紹介です。決め手は会社や人の魅力ですね。入社する前に社長と飲みに行ったのですが、仕事の話はほとんどなく、プライベートな話で盛り上がったことを記憶しています。「こういう人間味にあふれた方がトップの会社なら、仕事が楽しいだろうな」と思いましたね。また、これまでは比較的大きな組織で働いてきたので、小回りの利く組織の方が「もっと経験値を高められそうだ」という気持ちもあって転職を決意しました。

──セルプロモートでの「ITコンサルティング」とは、どのような業務内容でしょうか?

クライアント企業とベンダーをつなぐ、潤滑油のような仕事です。企業はシステムに詳しくなく、逆に開発するベンダー側は会社の内情に明るくないケースが多いため、双方に詳しい私が間に入ってプロジェクトがより良く進行できるよう調整します。また、企業には一般的にシステム部門があり、ベンダーとの話し合いではその部署が折衝にあたるケースがほとんどですが、システム部門の方は開発などの知識は豊富でも、ビジネス側の実務を完全に把握しているケースは少ないのです。

例えば、金融機関の場合、最終的にシステムを扱うのは窓口などの担当者ですよね。彼らが「こんな機能があると、スムーズになる」といった要望を持っていても、システムの担当者は現場を知らないので、必要要件としてあがってきません。そんなときこそ、私の出番です。常日頃から現場を含めて幅広い部門・役職の社員たちと交流を深めているので、「こうしたら業務がもっと効率化しますよ」と、ベンダー側のコストも考慮しながら、具体的な話を提案します。ちなみに、会議室ではみんなの本音は出てこないので、社員たちの空いている時間を見計らって、雑談ベースで個別に話をするようにしています。

──仕事で大変に感じたことと、やりがいを教えてください。

大変だと思ったことはほとんどないですね。強いてあげるなら、クライアント企業とベンダーとの間で「板挟み状態」になることですが、それも「みんなから頼られている証拠だ」と思って楽しんでいます(笑)。これはエンジニアとして上流工程を担っていたときに芽生えた感覚ですが、仕事をする上で「その人がどう思っているのか?」「なぜその考えに至ったのか?」という情報を集めることが、本質的に好きなんです。やりがいのひとつを例にあげると、会議の前に企業やベンダーなどそれぞれの思惑やできることなどを事前に調べ上げて根回ししておき、会議でみんなが「同意する」という戦略がバチッと決まったときです。そんなときに、この仕事の面白さを実感しますね。

相手の懐に飛び込み、「情報のわらしべ長者」になる。

──これまでの会社とセルプロモートで、変化したことはありますか?

明確な違いは「裁量権」ですね。例えば、「このプロジェクトに新しい人材が必要だ」という場合、エントリーシートなどから必要となるエンジニアを自分の判断で選んで投入できるようになりました。大きな組織だと「営業を通してから」など段取りが必要となるので、その違いを感じますね。なお、私はエントリーシートを見るときに「スキル」よりも「文章力」に重きをおいています。なぜなら、スキルやキャリアは「盛ってよく見せる」ことができますが、文章力は本人の論理的思考能力からしか生み出されないので、資質をより的確に判断できるからです。ロジカルシンキングを重視する考え方は、コンサルタントになってから鍛えられましたね。

──クライアントやベンダーから信頼されるために、意識して行動されていることは何でしょうか?

まず、自分のことを周りに知ってもらうための「アウトプット」を意識しています。人間は、どこの誰かわからない人には身構えますが、「こういうタイプの人で、コンサルという役割を担っている」ことがわかれば、安心してくれるものです。例をあげると、私が「国際結婚をしていること」や「子育て中」といったプライベートな情報を伝えることで、私個人に関心を持ってもらえるように努めています。さらに、こちらが一方的に話しかけるのではなく、相手に興味を持って接することも重要です。例えば、雑談で話した内容を意識的に覚えておいて、次に会った際の会話の糸口にしています。すると、お互いの緊張が打ち解けて本音を話してくれるようになるのです。

──業務に役立つ、情報収集の秘訣について教えてください。

とにかく、常にアンテナを張ることですね。例えば「クライアントのA部署の方は、こんな風に考えている」とベンダーのエンジニアに伝えます。そのエンジニアから「そのままだと工数が増えてしまうが、こうすれば負担が少なく要望にも応えられる」といった情報を受け取ります。このように聞いた話をトレードし続けていくことで、いわば「情報のわらしべ長者」になれるのです(笑)。

情報が蓄積されると、判断材料の幅が増えるとともに全体の意見をしっかりと集約できます。あと、「みんなが何を考えているのか?」を知るのが好きなので、きっかけは仕事でも気の合う仲間ができたら一緒に遊びに行くような友達付き合いになることもあります。もう一つ大切にしていることは「情報は集めるが、タスクは持たない」ことです。私はあくまでコンサルタントなので、自分で手を動かして業務を抱えるのではなく、任せられる人に託すという仕事の進め方をしています。

ITコンサルタントの面白さを、もっと多くの人に広めたい。

──セルプロモートのITコンサルタントは、どのような方が向いていると思われますか?

まだできてすぐの部署なので、「こんな部門にしたい」「新しい仕組みを取り入れたい」という、フロンティアスピリッツに溢れるタイプの方だとピッタリではないでしょうか。個人的には、スキルよりも気持ちの方に重きをおいているので、モチベーションが高くてやる気さえあればぜひ一緒に働きたいと思っています。あと、これは私の信条でもあるのですが、「視点を変えて楽しむ」ことができれば、よりやりがいを持って働けると思います。

例えば昔の話ですが、大手金融会社のお客様が憤りを露わにしている現場に遭遇したことがあります。まずは「何に対して怒っているのか?」をヒアリングし、共感することからスタートしました。徐々に怒りが収まったら、次に未来に向けての情報を獲得するのが私の勝利条件です。「怒り」という一面だけにとらわれず、「なぜか?」を念頭におき、論理的かつ多面的に思考する。そして、解決策を練り上げるのがコンサルタントの醍醐味です。

──将来に向けての想いやビジョンを教えてください。

「SEからITコンサルタントになる道をサポートしたい」というのが、個人的な想いですね。私自身もエンジニアからITコンサルタントになったので、育成に興味があります。SEのなかには「ITのコンサルタントは、何をしているのかわからない」という方も多いと思います。しかし、実際にやってみるとエンジニアで培ったノウハウを活かせる面白い仕事なので、ぜひ味わって欲しいですね。当社に来る前のことですが、所属している会社とは別のアシスタントを育成した経験があります。レクチャーすることで、ビジネススキルやコミュニケーション能力が上がっていくのを目の当たりにして「人間の成長を促進する教育の面白さ」に目覚めました。

コンサルティング部署はまだ立ち上がったばかりなので、メンバーの育成に力を入れていきたいです。


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