フリーランスエンジニアの働き方とは。会社員との違いを紹介

フリーランスエンジニアとは、組織に所属せずに個人事業主として仕事を獲得し、自身のスキルや知識を提供して報酬を得る働き方のことです。将来は独立してフリーランスエンジニアに挑戦したい方もいるのではないでしょうか。 今回は、フリーランスエンジニアに興味のある方を対象に働き方や会社員との違い、向いている人の特徴などを紹介します。加えて、継続的に案件を獲得できるフリーランスエンジニアになる方法も解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。


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フリーランスエンジニアとは

フリーランスエンジニアの働き方と職種は、どのようなものがあるのでしょうか。2種類の働き方と、主な職種を紹介します。

フリーランスエンジニアの2種類の働き方

フリーランスエンジニアの働き方には常駐型と在宅型の2種類があります。それぞれの特徴を解説します。

常駐型

常駐型とは、会社員エンジニアのようにクライアント先のオフィスに通勤して作業にあたる働き方です一般的な週に5日間の勤務、9時に始業して18時に終業するスタイルも同じです。ただし、案件によっては週5勤務ではなく、週2~3日に抑えたり、時短勤務をしたりできるのが特徴でしょう。

契約期間や勤務時間が定められ、収入が比較的安定していることもポイントです。

常駐型では、システムエンジニアやプロジェクトマネージャー、ヘルプデスク、運営監視などさまざまな職種の募集がみられます。

在宅型

クライアントから引き受けた案件を自宅やレンタルオフィス、カフェなどで行う方法を在宅型といいます。働く時間も自分で決められるので、早朝や昼からでも仕事を始めて構いません。

働く場所や時間、スタイルを自分で選択できることから、常駐型よりも自由度は高いでしょう。ただし、契約期間が短い単発の案件が多く、新規案件の獲得に必要なビジネススキルである営業力やタスク管理能力が必要です。

常駐型よりも質の高い成果物の納品が求められますが、スキルが高いフリーランスエンジニアなら効率的に稼げるでしょう。また、在宅型ではWebエンジニアやプログラマーのような成果物が明確な職種が多いです。

さらに、リモート勤務が可能な案件の割合も増えています。2020年1月で2.7%だったのに対し、2022年8月では41.9%と39.2ポイントも増加しています。

フリーランスエンジニアの主な職種

フリーランスエンジニアには、さまざまな職種があります。主な職種は以下のとおりです。

・システムエンジニア・・・システム開発でシステムの設定や要件定義などを中心に行う

・Webエンジニア・・・プログラミングやコーディングを担当する

・プロジェクトマネージャー・・・プロジェクトの責任者として全体の意思決定を行う

そのほかの職種に、ネットワークエンジニアやプログラマーがあります。

【フリーランスエンジニア】会社員エンジニアとの4つの違い

会社に所属しているエンジニアと、フリーランスエンジニアには契約や収入面などで異なる点があります。ここでは、4つの観点からそれぞれの違いを解説します。

1.契約面での違い

会社員は労働者として、雇用契約を会社と結んで仕事に従事します。契約期間の定めはなく、労働法の保護を受けられ、ある程度の身分は保証されています。雇用主からの拘束力が生じるので、仕事内容や勤務時間、休日などは会社に従う必要があります。

フリーランスエンジニアの場合は、クライアントと業務委託契約を結びます。労働者と雇用主という関係ではなく、事業者間での取引として案件ごとに報酬や契約内容、期間を取り決めます。契約期間や報酬の支払われ方は案件によって異なるため、その都度確認しましょう。

2.収入面の違い

会社員の場合は、ボーナスの有無や残業代などで違いはあるものの、毎月決まった日に給料が振り込まれるため、収入は安定しているでしょう。収入が急に減ったり増えたりすることはありません。

ただし、現在の収入に不満を感じても、収入アップの方法は転職や昇進などに限られます。副業で社外から収入を得る方法もありますが、会社によっては副業を禁止している場合もあるでしょう。

一方、フリーランスエンジニアは、請け負った契約ごとに報酬が発生します。契約状況に稼げる金額が大きく左右されるため、収入は不安定になってしまいます。

顧問契約を結んで定期的な収入を得る方法もありますが、案件を獲得できなければ、収入は途絶えてしまうこともあるでしょう。しかし、順調に案件を獲得すれば仕事の分だけ収入に反映されるので、大きな収入アップが目指せます

3.税金面の違い

会社員の場合、税金の処理は会社がしてくれます。税金は給料から天引きされて、残りが振り込まれるからです。さらに、年末調整以外での還付はほとんど受けられません。

フリーランスは、帳簿に収入や経費を記録し、自分で確定申告をして税金を納付する必要があります。住民税や所得税、事業税、消費税もかかってくるので注意しなければなりません。

確定申告の方法は、白色申告か青色申告かで、特別控除額や会計処理方法が異なります。税務署に青色申告承認申請書を提出していれば、申請の仕方によって10万円、55万円、65万円のいずれかの特別控除が受けられます。

また、所得から諸経費の控除が認められており、工夫によって節税できる点はメリットでしょう。

4.社会保障面の違い

会社員は健康保険と厚生年金への加入が企業に義務付けられていて、保険料の半分を会社が負担します。加えて、雇用保険にも加入するので、たとえ失職してもその備えになるでしょう。

フリーランスの場合は、国民健康保険と国民年金へ加入できますが、保険料はいずれも全額自己負担です。国民年金は厚生年金よりも年金の支給額が少ないため、前もって老後の準備が必要になるでしょう。

なお、厚生年金は保険料が収入に比例して上がるのに対して、国民年金保険料は定額で負担は少なくて済みます。

雇用保険はなく、仕事がなくなった時の保証がないことも理解しておきましょう。

フリーランスエンジニアになるメリット・デメリット

社会人エンジニアとの契約、収入、税金、社会保障の4つの違いを理解したうえで、フリーランスエンジニアになるメリットとデメリットを紹介します。

メリット:自由度が高い

会社の意向に従う義務がある会社員エンジニアと違い、自分の裁量で仕事が行える自由さがあります。やりたくない仕事や単価の低い仕事は、断ることも可能です。

作業にあたる場所や時間、仕事内容、仕事量を自由にコントロールして、プライベートを優先したり、時間を自由に使えたりするでしょう。育児や介護などとのバランスも取りやすく、自分のライフスタイルに合った働き方ができるのです。

デメリット:不安定さがある

フリーランスエンジニアは、自分で営業活動をして仕事を獲得しなければ、収入を得られません。体調を崩して仕事ができないときも同様で、収入の不安定さがあるでしょう。

また、会社に所属していないことから社会的信用度が比較的低い点も挙げられます。クレジットカードの発行や、住宅ローンの審査に通りづらいのもデメリットです。

前向きでスキルフルな人がフリーランスに向いている

会社員時代に活躍していたスキルフルな人は、フリーランスに向いているといえます。例えば、システムエンジニアやプロジェクトマネージャー、プロジェクトリーダーとして5年以上勤めている、案件の単価が80万円以上、上流工程に携わっているなどです。

また、前向きで向上心がある人もフリーランスに向いているといえるでしょう。エンジニアは新しい知識を身に付けることが不可欠です。多くの仕事にチャレンジして、さまざまなクライアントと交渉しなければなりません。スキルアップを常に意識して、自ら前に進む向上心が重要になります。

フリーランスエンジニアが案件を獲得する方法

自身の営業活動や、知人からの紹介以外にも、フリーランスエンジニアが案件を獲得する方法があります。ここでは、ふたつの方法を紹介します。自力で案件を探すには限界があるので、ぜひ参考にしてみてください。

クラウドソーシングサイトを利用する

クラウドソーシングサイトとは、仕事を求めている求職者と労働者を募集しているクライアントをマッチングさせるサイトのことです。個人から企業まで、さまざまなクライアントが登録しており、エンジニア向けの案件が多く掲載されています。

フルリモートや在宅ワーク、時短労働が可能な案件が多く、フリーランスが受注しやすいのが特徴です。さらに、難易度が比較的低い初心者向けの案件もあり、実績を積むのにも向いているといえます。

また、単発の案件を請け負って、空き時間を埋めたり副業をしたりするときに利用しても良いでしょう。

エンジニア向けのエージェントを利用する

エージェントとは、労働者を募集する企業に営業を行って、フリーランス向けの案件を獲得し、登録している利用者に紹介する事業者を指します。

スキルや経歴、条件を登録すると、自分にマッチした案件を提案してもらえます。エージェントサービスを利用するには手数料が必要ですが、利用者の希望条件に合った案件を紹介してくれるので、効率的に探せるでしょう。

業者によっては分野の得手不得手があります。複数のサイトに登録すれば、自身に最適な案件が紹介されやすくなるのでおすすめです。

フリーランスエンジニア向けのエージェントサービスは数多くあり、どれに登録するか迷ってしまう人もいるかもしれません。そのような方はぜひ「セルプロフリーランス」をご利用ください。

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まとめ

フリーランスエンジニアの働き方は、会社員のように会社に通勤する常駐型と、自宅やカフェなどで仕事を行う在宅型の2種類あります。

契約面・収入面・税金面・社会保障面の4つにおいて会社員エンジニアと違いがあり、自分で確定申告を行う必要がある点は特に注意が必要です。時間や場所、仕事内容の自由度が高いメリットがある反面、収入の不安定さや社会的信用が低くなります。

フリーランスはひとりで案件を獲得するのが難しいため、クラウドソーシングサイトやエンジニア向けのエージェントを利用すると、自分に合った案件を効率的に見つけられるでしょう。